フォトグラファーの武藤奈緒美です。日々感じたことや思ったことを、写真とともにつれづれなるままに。


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「毎日かあさん」と家族写真

 西原理恵子「毎日かあさん」第六巻『うろうろドサ編』が発売になっているのを新聞で知り、早速帰りに購入、今回もまたとっぷりと泣かされた。西原さんが作中でぽつり呟くようなひと言にぐっとくるのは毎度のことだ。

 西原作品に出逢ってかれこれ7,8年たつだろうか。読み始めた当時の彼女の年齢を越え、「おかん」ぶりを発揮しまくる彼女のスタイルに憧れを抱いたまま、三十路も半ばを過ぎてしまった。結婚願望皆無だった自分が結婚出産をしてみたいと思うようになったのは、西原作品に触発されたからだ。日々いろんなものと格闘し、衰えるどころかますますパワーアップ、女っぷりも上がっていく彼女に同性として毎度惚れ惚れさせられる。

「毎日かあさん」と家族写真_a0025490_4135995.jpg
 自分は自己顕示欲を満たすためだけにカメラマンという仕事にしがみついているのでは、と時々思う。「結局自分のことばっかりじゃん、あたしってば。ちいせえなあー」と半ば呆れ半ば仕方ないと受け止める。「毎日かあさん」を読んでいると、家族を満たすことが自分を満たすことであり、母親が幸せならば子どもも幸せで、その逆もまた然りなのだろう・・・と気付く。自分は理屈っぽくあれこれ考えがちだけど、理屈抜きのすごさや面白さがそこにはある。母は強し。母は無敵だ。西原かあさん、かっこいい。

「毎日かあさん」と家族写真_a0025490_4143853.jpg そんな折、アシスタントからカメラマンへの過渡期の頃からずっとお世話になっているエディター・S氏の家族写真の撮影依頼を受けた。長男君は幼稚園の制服姿。というのも奥方・Mさんが第二子出産間近で、長男君の入園式に参加できないかもしれないから。S氏夫妻の結婚は6年前の今頃で、そのときも式の撮影を依頼されたのだった。子ども時代の6年はとても長かったのに、大人になるとほんとあっという間だねと、ランチをご馳走になりながら話す。S家はこの6年の間に2人から3人、もうじき4人になる。わたしは同じ6年の間に、長くつき合った人とお別れをして2人から1人に戻った。3人になれなかったとしてもせめて2人になりたい。自分が人生の時間をどれだけ持っているかはわからないけれど、1人ではもてあましてしまいそう。それにひとりで生きる覚悟はまだまだできそうもない。

 友人のYさんがメールでK君の入籍と相手の方の懐妊を知らせてくれた。K君には奥さんが必要でしょうと思っていたからすごく嬉しい。YさんやK君ともかれこれ8年くらいの付き合いか。また同世代の仲間が家族をこしらえていく。かつてはそういうことにまるで心が揺れなかったのに、最近じゃ揺れまくる。やっぱりそういう年齢なんだなあと思う。揺れてしまうことに目を背けずしっかり受け止めよう。自分がどうありたいのかをちゃんと見極められるように。いざとなったらきっちり腹が据わるように。


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by naomu-cyo | 2010-03-18 04:19 | 読書 | Comments(0)