京島、爬虫類分館へ。
2010年 10月 06日
自宅から曳舟に行くのってけっこう遠い感じが否めないのだけど、惹かれる場所があると距離は気にならなくなるもんだ。ふだんから仕事であちこち移動していて慣れているせいでもある。火曜日のベジランチと丁寧に入れてくれるコーヒーと空間を味わいに。プラス、そこで写真を展示できないかの相談もしたかった。
撮影で数度訪れて「ここで展示したらイメージ」がすんなり湧いた。すごくわくわくした。年明け早々の吉祥寺・百想での個展は決まったから、巡回する感じで1月下旬以降にここで展示したい。ギャラリー展示よりもむしろこっちのほうがしっくりきそうな気もしてくる。通りに面した大きな窓が魅力的。街行く人を眺められる窓辺があるって素敵だ。ご飯を待つ間も食べながらも、ついつい目線が外へと吸い寄せられていく。思考が停止する。ここんとこずっと脳内が走っていたような感じだったから、身体の芯がしばしほどけていくようだった。心地いい。
カフェタイム担当のNさんとバータイム担当の方と三人で打ち合わせしましょう、ということに。よかった、話を進められそうで。それにしても久しぶりに大いに緊張した。思えばわたしは自分自身の営業が苦手なのだった。作品ポストカードを渡す。たとえばどういう写真を撮っているかを補足的にさくっと説明すればいいと思うのだけど、「これは新島の流人墓地で撮った写真で、ポストカードにするのもどうかと思ったけど光がきれいだったから・・・」とか「これは『赤目四十八瀧心中未遂』という小説に感銘を受けて三重県の赤目渓谷に行ってきて・・・」云々かんぬんだらだらと、大枠でなく細部ばかりを口にしてしまう。話しながら「最初からそんなこと聴かされても困るだろうになあ・・・」と思う自分がいるものの、スマートな説明ができない。話し終わったそばから反省モードだ。深呼吸しておおらかに構えることを忘れてしまうのだな。
でもまあ、一歩話を進められたのでまずまずだ。あとはこまめに通ってもっともっとイメージを膨らませていきたい。イメージ先行のみならず、暗室もだ。そろそろこしらえなくては、我が家に暗室を、感覚を忘れちゃわないうちに。暗室のある生活なんて随分久しぶり。狭くなるけどこれも写真のため。四六時中写真に恋していよう。飽きっぽいわたしが唯一続けてこられたものだもの。