フォトグラファーの武藤奈緒美です。日々感じたことや思ったことを、写真とともにつれづれなるままに。


by naomu-cyo
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改めて、「ノルウェイの森」を読んで。

 朝早くに集合の撮影が続いているので、終わって事務所でデータのバックアップをとると即帰宅して身体を休めるようにしている。翌日の集合時間から逆算して眠りに就く時間を決めるのだが、ここ数日は寝る前に「ノルウェイの森」をじっくりゆっくり読み直していた。最後のくだりを読んだ後に、途轍もなく逢いたい人がいるというのはつまり積極的に生の側にいることの表れなのだな、と意識した。

 自分はそういうことをほとんど意識せずに今までを過ごしてきた。なぜ意識しなかったか。それは身近な人の死に遭遇して喪失感を味わうということがなかったからだと思う。祖父母の死は大いに生きての往生だったから、そこには「お疲れさま、ありがとう」という気持ちはあっても強烈な喪失感はなかった。死を想うということを置き去りにしたままこの年になった。そのような哀しみは経験しないに越したことないとは思うが、何かが欠落しているような気がしないでもない。
改めて、「ノルウェイの森」を読んで。_a0025490_1462339.jpg
 日曜日、ずっと逢いたくてたまらなかった友人と久しぶりにゆっくり逢ってきた。彼女は墨田区在住だからちょうどいいとばかりに、またもや京島の爬虫類館分館へ。夕方の喫茶タイムからそのまま夜のバータイムへ。5時間以上ひたすら話し続けた。それでもまだまだ話したいことが湧いてくるようだった。

 途轍もなく逢いたくなるのにはきっと訳があるのだろう。でも、「逢いたい、とにかく」な気持ちばかりが先行して、理由については考えなかった。こういうとき・・・何か強い感情が働いたとき・・・気持ちを掘り下げられればもうちょっと客観的に自分や自分の行動を見つめられるのだろうけど、どうも感情突っ走りになりがちだ。でもまあ何かしら強い執着があるというのは積極的に生きているってことなんだろうからまあいいのかなあ・・・。

 「ノルウェイの森」はずっと前に何度か読んだときよりも今のほうが心に響いた。それでもやっぱりたくさんの忘れられない大好きな小説上位にはランクインしなさそうだけど、読み直してみてよかった。
Commented by oka-chan at 2010-10-16 22:44 x
心から逢いたいという気持ちが先行したなら、理由なんて考えなくてもいいと思いますヨ。逢いたい!それだけで充分ですて。
大切な人と死んで別れるなんてコトも、なにも早くに経験しなくても、年齢を重ねてゆけば、遅かれ早かれ誰しも経験するコトですから。だから、逢いたい人に逢いたいときに逢う。・・・大切なことだな〜って思いますデス。
(お見舞いコメント、ありがとうゴザイマシタ〜)
Commented by naomu-cyo at 2010-10-20 03:05
oka-chanさん・・・逢いたい人に逢いたいときに逢いたいものですよね。で、こんな稼業をしていると、前々から約束しておけないわけで、となるとOLとか教師とか主婦やっている友人とはなかなか逢えなくなっちゃいます。自営業同士だと思いつきみたいに逢いたくなったら逢えちゃうのになあって思って。
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by naomu-cyo | 2010-10-16 01:46 | 読書 | Comments(2)