花組芝居「花たち女たち」を観る
2010年 11月 06日
花組芝居の公演だから紬じゃなくて小紋かな、帯は華やかなのがいいなあ・・・などとなんとなく思い、久しぶりにやわらかもんに袖を通す。いつの間にか、袷のきものでちょうどいい季節がめぐってきていた。早いな、季節がめぐるのは。37歳までカウントダウン、年を食うのも早いな。人生の半分くらいだろうか。いろんな焦りを内包しつつもけっこう楽しい三十路後半戦。ま、愉快にのらくらしのいでゆこう。
今回の舞台の原作「芝桜」「木瓜の花」(有吉佐和子)はまだ読んでなくて、この日岡田さんから貸していただいた。芸者の䔍代と正子の娘時代から老いてゆくまでの日々を、時代背景も折り込みながら走馬灯のように描いた一大叙事詩。どの役も全て男性が演じているけど、䔍代や正子を演じる2人を始めとする女性陣は女性以上に女性っぽい。あのうなじのきれいさはなんだ。あの物腰の柔らかさはなんだ。花柳界を描いているせいもあるだろうけど、優美で華やかであるなあと目でも楽しむ。
ちゃっかりしゃあしゃあな䔍代と、そんな彼女に翻弄される正子。時代の変化の受け止め方もそれぞれで、䔍代は変化に対し積極的に打って出るし、正子は素直に受容し流れのままに身を任せる。䔍代が正子に対して図々しいくらいちゃっかり振る舞うのだって正子に甘えているからだろうし、そんな䔍代を正子が邪険にできないのだって䔍代の欠点をわかったうえで結局受け入れ許せてしまうからだと思う。老いの境地にさしかかった二人が並んで東京の夜景に見入る後ろ姿は、娘時代のノリとなんら変わらないようだった。女同士ってそういう瞬間がある。いくつになっても若い頃のきゃぴきゃぴした一面を引っぱり出せるのだ。・・・女の友情をこんなふうに客観的に観るってのも面白い。それを男子が演じているというのだからさらに面白い。
先月上旬に撮影した花組芝居のオフ公演「ハナオフ」の2月公演のチラシが出来上がった。こちらは明治の文豪たちが文豪になる前の青春時代のお話。こちらもご贔屓に!
「困ったことになった。君を好きになってしまったようだ」
に、自分の中の乙女心がジタバタしました(笑)
堀越くん&谷山くんの爽やかコンビも素敵ですが、植本さん&八代さんの
女の色気対決な「夢たち」キャストも是非是非!
同じ作品でこんなに雰囲気が違うかと思います。
ええと、落語に例えると・・・
「リレー落語 文七元結の会」に談春・志らくバージョンと
三三・志ら乃バージョンがあって、似た感じになるかと思ったら
年齢だけじゃなくてこんなに違ってしかも面白いよ!みたいな
(いや、別に落語に例えることないんですが)
そして・・・落語でのたとえが絶妙!(笑)三三志ら乃バージョンだなんて、予想外の組み合わせだったから「うわっ、それ観たいっす」ってな感じ〜。いやはや!