春眠暁を憶えず猫
2011年 04月 07日
二日間きもの媒体のロケで深川や森下界隈を移動。あっちにもこっちにも桜が咲いていて、撮影の合間にパシャパシャ撮影してきた。一週間前は全然実感できてなかった春の訪れをようやく今しみじみ感じている。
毎年桜が咲くと嬉しくなる。そして通り過ぎてきたいろんな春の思い出が頭の中でリプレイする。新年度を迎える喜びに満ちたピカピカの思い出よりも、サヨナラ元気でねとかお別れしましょうとか、そういう思い出のほうが多かったのか単に印象に残っているだけなのかわからないけど、希望に満ちあふれた春というよりも、それまでのあれこれにいったん区切りをつけ傷だらけで新たな一歩を踏み出す春のほうが多かったような気がする。
例年1月2月は仕事のほうが不調でテンションも落ち気味で、でも3月になると仕事が増えてきて調子を取り戻す・・・カメラマンとして独立してからずっとそんなリズムを繰り返してきた。今年は持ち直すはずの3月に大地震が起き、漠然とした不安を腹の底にかかえながら過ごす日が続いている。幸い仕事のダメージは今のところ少なく、地震直後の撮影がふたつ中止になったくらいにとどまっている。今後じわじわと影響してくるのだろうけど、今年ほど「今あることを懸命に」「できることをできるかぎり」と感じたことはない。
うちの猫の生活は地震が起きようともなんら変わることがなく、相変わらずの春眠暁を憶えず状態。鈍いだけなのか年寄りだからなのかわからないがこの猫の平常心ぶりに飼い主である自分が大いに助けられている次第だ。