「柳家さん喬独演会 Vol.9」へ。
2011年 10月 23日
ひとしきりお話した後、清澄白河の深川江戸資料館へ。この会場のさん喬師匠独演会を聴くのは初めて。顔見知りの方がたくさんいらしていた。
「柳家さん喬独演会」Vol.9
さん坊 「小町」
喬の字 「天狗裁き」
さん喬 「へっつい幽霊」
仲入り
さん喬 「湯屋番」
さん喬 「火事息子」
「湯屋番」、大笑い。まさに「さん喬妄想劇場」ってな様相。お召し物をブルー系でまとめていらっしゃったこともあり、若々しさが際立ちって噺の主人公である若旦那の姿とかぶる。端から見れば「そんなこと考えてないでしっかり働け」と呆れ返るくらい、社会適合力皆無な若旦那。そんなダメ男くんをどこまでも馬鹿馬鹿しく、と同時に愛嬌たっぷりに描いていらっしゃって、思わず「君はそのままでいて」と言いたくなる。
「火事息子」では一転、江戸の火事の風景が見えるようだった。半鐘が鳴り響き、対応に追われる商家の旦那と番頭さん。実家の危機を救いに来る勘当中の息子が屋根をひらりひらりと移動してくるその様子までも。久しぶりの親子顔合わせの台所のシーンでは、正座して頭を下げる息子の肩の震えまで見えるようだった。言葉を多く用いずしてたくさんのイメージをこちらの頭の中に展開させてくれる。さん喬師匠の高座を聴きながら頭の中ではそのフィルムが回っているみたいだった。