手とか脚とか
2011年 11月 21日
おしゃべりしているときに無意識に動いている手や脚。その意識していないであろう動きがその人の性格を表しているような気がする。
「するところ」のワークショップで、夢中になって絵を描いているときの子どもの脚の形なんかも面白い。足の裏をくすぐってみたくなるような形をしている。
噺家さんの手の動きは想像力を刺激してくれる。女性を演じるときの手と男性を演じるときの手とでは、同じ人の手なのに表情がまるで違う。
器械体操選手のすっと伸ばした腕の指先まで意識が通っているあの感じも好きだ。高校時代に器械体操をやっていたとき、「手足をいかに長く見せるか」について顧問の先生によく注意された。「武藤、肘!」と何度も声が飛んできた。けど、あまりぴんっと伸ばすと柔らかさがなくなる。柔らかい線を描きながら長く見せる感覚をつかむために、大きな鏡の前で何度もポーズを確認した。あんなに鏡を見てばかりいたのは、体操部だった三年間くらいのもんだろう。
きものを着る日はいつもよりも指先に意識がいく。気分的におすましモードになるのだろうか、歩き方にも気がいく。パンツスタイルのように歩くわけにもいかないし。
顔はいろいろに取り繕える気がするけど、手足にはその人そのものが案外強くにじみ出るものではないかしら。