「仁平幸春の"松虫寺の600年椎の木の色"と西川晴恵の"縞更紗"展」へ
2012年 02月 28日
twitterやfacebookを通して自分が着物好きなカメラマンであることを伝え、言葉のやり取りをさせてもらってきた。去年夏の日本橋三越でのグループ展示で小物作品をじかに拝見したことはあったが、帯作品を見るのは初めて。そしてご本人にお逢いするのも初めて、だった。
糸の話や染めの話を伺う。「藍を建てる」という言葉の説明もしていただく。染め物なのに「建てる」とは。ラックダイという染料のことなども。麻糸のみで織られたものと、縦糸だか横糸だかに絹を使っているものとでは、藍の青さの出方も違う。同じ琉球藍でもいろいろな表情を見せる。野趣と洗練が同居する、一見静かなようで肝が据わった存在感を見せてくれる作品たち。こうしたものを見るときのならいで、頭の中で手持ちの着物に彼女の帯をのせてみる。思い浮かべるのはどれも紬のきもので、それも節が見られる素材感の強い着物ばかり。大地の恵みを一身に受けたような着物じゃないと、彼女の作品に太刀打ちできなさそうだ。