フォトグラファーの武藤奈緒美です。日々感じたことや思ったことを、写真とともにつれづれなるままに。


by naomu-cyo
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「仁平幸春の"松虫寺の600年椎の木の色"と西川晴恵の"縞更紗"展」へ

 二年前くらいに、作品を雑誌かなにかで見て気になっていた染織家・西川晴恵さんの展示に、このたび念願叶って出かけてきた。

 twitterやfacebookを通して自分が着物好きなカメラマンであることを伝え、言葉のやり取りをさせてもらってきた。去年夏の日本橋三越でのグループ展示で小物作品をじかに拝見したことはあったが、帯作品を見るのは初めて。そしてご本人にお逢いするのも初めて、だった。

「仁平幸春の\"松虫寺の600年椎の木の色\"と西川晴恵の\"縞更紗\"展」へ_a0025490_1135187.jpg
 多分、自分と同じくらいの年齢。沖縄の工房で修行され、今は浦賀の自宅工房で制作に励んでいらっしゃるという。展示に訪れる前日、麻布十番の松美屋で見たミンサー帯にあった琉球藍の青がとても美しく、それが脳裏に焼き付いていたのものだから、西川さんの作品に同じ青を発見して嬉しくなった。とてもとてもいい色。奥深くコクのある、懐かしいような遠いかなたのようなそんな青。

 糸の話や染めの話を伺う。「藍を建てる」という言葉の説明もしていただく。染め物なのに「建てる」とは。ラックダイという染料のことなども。麻糸のみで織られたものと、縦糸だか横糸だかに絹を使っているものとでは、藍の青さの出方も違う。同じ琉球藍でもいろいろな表情を見せる。野趣と洗練が同居する、一見静かなようで肝が据わった存在感を見せてくれる作品たち。こうしたものを見るときのならいで、頭の中で手持ちの着物に彼女の帯をのせてみる。思い浮かべるのはどれも紬のきもので、それも節が見られる素材感の強い着物ばかり。大地の恵みを一身に受けたような着物じゃないと、彼女の作品に太刀打ちできなさそうだ。

「仁平幸春の\"松虫寺の600年椎の木の色\"と西川晴恵の\"縞更紗\"展」へ_a0025490_1141097.jpg
 さんざん話を伺い、さんざん作品をなでさすりまくって、でも今は事務所の移転を控えた状況だから出費は控えねばならず、心の中の欲しいものリストに彼女の帯を追加する。これはなんとしても頑張って手に入れたい一品、大地のエネルギーを身にまといたい。そして、暖かくなって藍が元気に活動する頃になったら、工房に写真を撮りに伺わせてもらうことにした。琉球藍、どんな匂いなんだろう。どんな色なんだろう。興味は膨らむ。
Commented by team-osubachi2 at 2012-02-28 13:16
西川さん、昨年の夏に拝見しましたけども、もうもだえるばっかりですよ。私は藍や臙脂の格子ものにググッときちゃいました〜。一瞬ブックカバーとか名刺入れでお茶をにごしそうになりましたけど、否!いくならやっぱり帯!ですよねえ〜。まあ、せいぜいもだえておくことにします〜。(笑)
Commented by naomu-cyo at 2012-02-28 15:37
team-osubachi2さん、ほんと悶えるばかりですね、ほんと悶えた!!!わたしもブックカバーでお茶濁そうと思ったんですが、いやいや欲しいのは帯!と思いまして。でも、端切れで作ったピンクッションがあったんです。これがお土産ですので、次回お渡ししまーす!
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by naomu-cyo | 2012-02-28 11:04 | お着物 | Comments(2)