フォトグラファーの武藤奈緒美です。日々感じたことや思ったことを、写真とともにつれづれなるままに。


by naomu-cyo
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ひねくれ者は、思ふ。

 本屋でなんとはなしに本を探しているとよく、「泣ける一冊!」などと帯に書いてあるのを見かける。その類いのコピーを見かけると「余計なお世話だ、絶対買うもんか」と思う。と同時に、「泣けなきゃいかんのか」とも思う。涙が出ることだけが感動ではないだろうさ。どんな感情をもよおすんであれ、心が感じ動けば是すなわち感動なんじゃなかろうか。

 三浦しをんさんの「光」(集英社)を読み終えた。涙など一滴も出なかったけど、物語の淵へぐいぐい引きずり込まれ、ものすごい圧倒感に包まれながら、ほとんど一気に読み終えた。物語力とそれを支える的確でぶれない文章にいざなわれ、息を詰めるようにして読んだ。泣けるとか泣けないとかいう次元など、軽々と飛び越えていた。

ひねくれ者は、思ふ。_a0025490_0481144.jpg
 話は変わるが、facebookなどで愛娘の写真を載せている人がけっこうたくさんいる。子を持たぬわたしが投稿をどうこう言うつもりはないし、一向に全然構わないんだけれど、アップした写真に対してお仲間が「こんな幼いのにもう色気がありますね〜」などとコメントをする。それに対し親である人が「でしょ?5歳にして女を感じる〜」とコメントを返す。こうしたやり取りが個人的にはすごく気持ち悪い。仮に、自分の父親が子ども時代のわたしに対し知人とそんなことを云々していたらと想像してみると、寒気がする。文字で読むからなのか妙に生臭い。

 たとえば年頃の娘をもつ父親が、色付きリップをしたりコロンの匂いを振りまいたりし始めた娘に対し、「色気づきやがって」と(さみしそうに)ぼやくんなら「うんうん、そうだね、さびしいね、いつかお嫁に行っちゃうしね」と娘をもつ父親の悲哀を想像したりするのだが、年端もゆかない娘をとっつかまえて「色っぽい」とか「もうすっかり女だ」とか言うのって・・・ぶるる、気持ち悪い。男親のみならず女親までその類いのコメントをしていたりすると、なおさら気持ち悪い。

 こんなふうに思ってなんとも判然としない気持ちになるのは、わたしがひねくれ者だからなのか?どうなんしょ。ま、どうでもいい話だけどもさ。
Commented by Håru at 2012-06-17 20:32 x
前者も後者も、全く同感です!

後者について:
いくらプライベートに設定しようとも、全世界に対して、未来永劫、公開し続けることと、ほぼ同義である現状を認識すべきです。
また、写真に付随する、公開した本人、及び全世界、未来永劫に渡る制御不能な不特定多数からのコメントもまた然りです。
つまり、その娘さんが、未来、お年頃になり、家庭を持ち、歳をとる… その過程の無作為の時刻の彼女に、その親の意思に依らず、その写真とコメント群を公開しているということです。
これは、「この娘が結婚した日に見せてあげよう。」と綴った、アナログのアルバムとは、全く異質だと思います。
故に、僕も気持ちが悪く思うことがあります。
人生は各々平らではないのに… と。
Commented by naomu-cyo at 2012-06-18 08:45
はるくん、いやいや、わたしゃそんなたいそうなことを思っているわけではないのだけども・・・。なんか幼児に対して「色っぽい」とか「女を感じる」とかやりとりするのが、生理的に気持ち悪いと思うだけなのよー。しかも文字って生々しいじゃない?たわいもないライトなやりとりのつもりでも、ライト感がなくなるんだよね、文字化すると。
Commented by Håru at 2012-06-18 09:29 x
むーちょさん、おはようございます。
なるほど、文字の怖さですよね。
一般に短いコメントほど、その主の感情が掴みづらい。
一見、ロリコン趣味ととることもできるコメントは、どんな雰囲気の人が、どんな表情でコメントしているか分からないから、気持ち悪かったりする。
殊に女性であれば、自分を被コメント側に置く想像がし易いし、尚更そう感じるのかもしれません。
Commented by naomu-cyo at 2012-06-18 22:31
はるくん、そうなんだよねー、短い文だとニュアンスつかみにくいよね。ゆえに、余計なこと考えちゃうんだけども。おっさんが若い娘が好きなのは平気なんだけど、男性が女児好きというのはどうしても受け入れ難いって思っているから、なんだか生臭く気色悪く感じてしまうんだよね。当人たちはそんな気ないに違いないんだけどもさ。
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by naomu-cyo | 2012-06-17 00:45 | フォトダイアリー | Comments(4)