「暑気払い」
2013年 06月 07日
「暑気払い」という響きがとりわけ好きで。新年会とか年度納めとか忘年会とかいう言葉もいい。久しぶりに逢いたくなった友人やちょっと気になっている人、交流をもっと深めたい人・・・などと一緒に飲みたいな、なんて場合に、これらにかこつけて誘いやすくなる気がする。ふだん頻繁に飲み歩いているわけではないから、誘うのに理由付けをしたくなってしまうのだ。まだ本格的な暑さを迎える前から「暑気払いでも」を乱発している。逢いたい人がやたらと多い。
うちのアパート1階のいちばん奥の部屋は大家さんの姪の倉庫同様になっていて、今は彼女の友人が滞在しており、今朝ドアを開けたらその人とばったり遭遇した。年の頃は50代後半くらいか。初めましてと挨拶し合い、だんなさんの仕事の関係で滞在しているスウェーデンから一時帰国していること、生まれたときからずっと小田急線沿線で暮らしてきたことなどをひとしきり話した後で、「帰国中はほうぼうの友人と逢っているので帰りが毎日遅くて。この年になると、病気で入院している友人のお見舞いやお墓参りなんかも多くてね。逢えるときに逢っておかないと」とにこやかに、でもちょっとさみしげに話していらっしゃった。
彼女とお別れした後、駅へと歩きながらつくづく思った。逢いたいと思う人にはその都度逢っておかないとなあ、と。義務とかそういうんじゃなくて、逢いたいと思ったその気持ちに素直に従うだけの話だ。なにも「暑気払い」を持ち出さなくても、逢いたいなら逢えばいい。タイミングが合わずなかなか逢えそうもないときもあるけれど、それはそういう時期なだけで、次のタイミングを待てばいい。待つ間に逢いたい気持ちが落ち着いちゃうこともあるけれども・・・。