色気とかホスピタリティーとか
2013年 06月 27日
3月末に由歌利さんの結婚式を撮影した際、二次会でお目にかかった広島の会社経営者・勘さんからいただいた案件。だから勘さんとはきのうが二度目ましてだったにも関わらず、間に由歌利さんがいる心安さと勘さんのフレンドリーキャラとで、昔から一緒にお仕事させていただいているみたいなノリで現場に臨めた。加えて、別嬪な理事長の心根のあったかさや、きびきびしたスタッフさんたち、入居している元気な爺ちゃん婆ちゃんたちにも大いに助けられ、最初から最後まで朗らかに撮ることがかなった。ピースフルな現場だった、とても。
編み物が得意で作品をお土産に持たせてくれた103歳の女性。ものすごくおしゃれでシャネルの口紅をさらっと使いこなす89歳の女性。噺家さんのような口調で粋なシャツを着こなしていた男性。「昔は書道とお茶を教えていたの。今は仮名の勉強をしているの」と流麗な文字を見せてくれた89歳の女性。90歳前後の女性たちに「あなたまだ若いから」と言われて照れ笑いしていた70代前半の男性。「働けるうちにめいいっぱい働いておきなさい」と応援してくれた82歳の女性・・・たくさんの人生の先輩たちと接しおしゃべりをした。茶目っ気もユーモアも元気もある彼彼女らを見ていたら、39歳のわたしなどまだまだひよっ子で、悩むこと自体がお恥ずかしいって気になった。もっともっと話をきいてみたかったなあ。
そこで思い出したのが、ちょっと前にcafe green gingerでお茶したときのパティシエ鈴木氏の言葉。「ボタンをひとつ外していくくらいの意気込みでさ」と鈴木氏。「それは心のボタンをひとつ外すってことですか?それともリアルにボタンをひとつ外してってことですか?」と切り返したら、大爆笑された。勘さんも鈴木氏もともにオーバー50で、この年代の方々とする色恋話っていやらしさ以上に明快さが際立って、ふっくらと楽しいひととき。ほんのひとまわりくらいしか年が変わらないのに、人生の達人みたいに思える。ホームでお逢いした爺ちゃん婆ちゃんにしてもそうだけど、わたしはやっぱり目上の方たちにずっと憧れていたいなあって思った。それは決して年下の人たちを未熟と思うということではなく、だ。年下でも素敵だなあって思う人は周りにたくさんいる。要は、自分の分をわきまえようって話だ、後ろ向きにではなく前向きに。
撮影中に、「身体にだけは気をつけるのよ、あなた重たいもの持っているんだから」と80オーバーの女性に声をかけられた。勘さんが話してくれた「ホスピタリティー」の話が思い浮かんだ。自分の心配そっちのけで見ず知らずの2日間の闖入者を慮ってくれる。それもまたホスピタリティーだ。
朝から、素敵な記事を読ませて頂きました。
「わたしはやっぱり目上の方たちにずっと憧れていたいなあって思った。」
本当に!
私も、凄くそう思います。
年配の方に気遣われて、はっとすることの多い今日この頃…。私も見習いたい事、多々です。