studio fujinoの蕎麦猪口展
2015年 05月 16日
これまでも花見の会や展示で何度か、撮影でも何度か伺っている。今回宣伝ビジュアルの撮影の依頼をいただき、ギャラリーオーナーでありデザイナー(和裁士でもある)の東川さんが用意した塗りの白い什器を使ってうちの事務所で自然光で撮影。いっこいっこの作品をじっくり触って眺め、「顔」を探しアングルを探す。当たり前のはずのこの行為がこのときすごく新鮮に感じた。なんでだろう。
プレーンな白を背景にしたことでより前面に押し出されてくるものたちの存在感にそのときおそらくわたしはうろたえ、そしてはっと気付いたんだと思う、これまでしっかりと存在感をキャッチしていなかったことに。そばにあるものたちと出逢ったときのことはしっかりと憶えているけれど、それはあくまで対自分なことであって、そのもの単体の放つ何かをすくいとってなかった。購入するだけの立場ならそれでもいいと思うけれど、自分は撮り手でもあるのだ。人を撮るのとなんら変わらないことであるのだ、ものを撮るということも。頭の中では一緒だと思っていたのに、アウトプットでは一緒にできてなかった。はっきりと自覚し、腑に落ちた。
猪口才なアプローチだけでものを撮っていたなあと痛感しまくった蕎麦猪口撮影。気付かせてくれたお礼を伝えに、明日彼ら蕎麦猪口たちに逢いに参ろう。