扇橋師匠のお通夜へ
2015年 07月 15日
扇橋師匠の写真はありますか、あったら見せて欲しい、こちらにも何枚かあるから必ずしも使うかどうかはわからないのだけれど、と申し訳なさそうにおっしゃるので、東京かわら版の取材でお撮りしたものが何枚かあります、高座とインタビューの写真をそれぞれご用意します、とお返事して電話を切った。
撮影と打ち合わせを終え、事務所に戻る。あの取材はいつだったっけと調べたら2011年4月下旬の日付だった。4年も前のことだけど情景をわりとはっきり記憶しているのは、やはり写真を撮ったからだろう。インタビュアーの質問に即答するというんではなく、ご自身の間合いで・・・たとえば煙草の煙を吸い込んでゆっくりはき出して灰をとんとんと落とした後に答えるみたいな・・・お話しになる、そんなゆったりとしたインタビューだった。これが好きでね、とおっしゃって店の看板メニュー「楽屋もち」をお食べになったっけ。
お撮りした写真の中から2枚を選ぶ。高座はこっち、インタビューはこっち。ほかにも何枚かあるけれど、この2枚がわたしの記憶に強く残る扇橋師匠のお姿だ・・・と思ってそれを扇辰師匠に送ったら再び電話があった。、お手数おかけしました、ありがとうございます。むーちょ、ちょっと話してもいい?実はね、どっから見っけてきたのか、「この写真がいいね」ってみんなが言う写真があったのよ、でも撮ったのが誰だかわからなくて、それで別な写真にって話していたんだけど、むーちょから届いた写真を見てこれだよこの写真、この煙草を吸っている写真だよ、ってなったんだ。これを使わせてもらいます、ありがとう・・・そう伝えられた。なんてカメラマン冥利に尽きることだろう。
この写真ですか?
http://hajime-17.blog.jp/
http://www.daily.co.jp/newsflash/gossip/2015/07/14/0008209459.shtml?ph=1
ほんとに残念。寄席で師匠の高座をもう拝見できないなんて。