老猫、近況。
2015年 10月 25日
食のえり好みが激しく、5種類のご飯を並べても見向きもされないなんて日もあった。何をあげたらいいかわからず、遅い時間でも開いているスーパーに走っていき、割引になった刺身をすがるような気持ちで買ったこともしばしばある。泣き落としに出てみたがやはり頑として食べてくれないこともあった。今週水曜日、撮影が終わって帰宅し、仕事の打ち上げに出かける前に猫の飯の算段をしたものの食べてくれず、加えて呼吸が浅く、これはいよいよかと思い、打ち上げを急遽キャンセルして猫を抱いてだーだー泣きながら思い出を語ってきかせた。このまま空腹で逝かせるのは偲びないと、ダメもとで「黒缶」を口元にもっていったところ、いきなり食いついた。その姿を見て涙が嬉し泣きに変わった。
冬が近付くと昼を挟んだ時間帯に日のあたる場所がある。そこに座蒲団を置き、その上にぱちを寝かせ、そっと膝掛けをかけてやると、ぬくいのかうとうとし始める。その顔つきは安らかであり毅然ともしていて、「そうばたばたしなさんな、これが老いるということですぞ、慣れよ」と言われているような気がした。そんな姿を今日の昼間に眺めていたら不意に個人名が浮かんだ・・・「寂聴」!
そんなわけで我が家の老猫ぱちは寂聴と化し、老いながらにして生きるということを身を以て教えてくれているようだ、どうやら、おそらく、きっと。
こちらもさらに加齢な様子でした。ことに筋力がね。
好きらしいきなこまぶしのソフトせんべいをうっかり指であげたら、抑制がきかなくなったところへ甲斐犬のあごだもんだからガツッと歯が当たった瞬間に指が反応して、さいわい爪先を噛まれただけで済みましたが、食への欲は健在でした。
実家で老犬も二三匹看てましたが、何度経験しても個々違う症状が出るので右往左往していました。思うにどんな老化もみ〜んな初体験なのですよねえ、本人にも他にも。