「戦場のアリア」を観る
2006年 06月 17日
気になってた「戦場のアリア」を公開最終日に運良く観られた。1914年第一次世界大戦のさなか、進攻を続けるドイツをフランス軍とスコットランド軍が食い止めていた。その両者がぶつかる最前線で物語は展開する。
クリスマスイヴ。テノール歌手で今はドイツ兵の恋人に逢いたい一心で司令部にやってきた歌姫。皇帝へ慰問という形で恋人とともに歌声を披露し、離れたくないあまりに彼について前線へと向かう。彼女を迎えたドイツ兵の中から歌がわき起こり、敵対するフランス・スコットランド軍にも伝播していく。テノール歌手の歌声に合わせてスコットランド軍がバグパイプを奏で始めた。各国責任者の対談の結果、クリスマス停戦を取り決めた。数10mの距離で相対している同士が剣を銃をおろし塹壕を出て敵味方なく酒をかわし牧師の祈りに頭を垂れた。3種類の軍服が入り交じり笑い興じる光景は戦場とは思えない。
戦地に赴かないであろう最高権力者の決定で徴兵され、戦いたくもないのに戦わねばならない悲哀や故郷を恋うる気持ち。国も言語も違えど同じ心情だからこそわかりあえ、同じ経緯を持つもの同士ゆえに友情が生まれた。「戦争が終わったら一緒に酒を飲もう」あちこちでかわされる約束に希望や未来を感じた。国に殉じることを善しとした日本とはえらく趣きが違う。
一世紀前と現在の戦争とではその様相はすっかり違うのではないだろうか。もちろん今の戦争の様相を知っているわけじゃなく、あくまで印象のレベルでそう感じたにすぎない。戦争を美化するつもりは毛頭ないけど、ここで描かれた戦争にはたしかに「情緒」が存在していた。前時代的な戦いの風景だけれどその情緒ゆえにこの作品は生まれたわけだ。
実話に基づいた作品だという。停戦中に三か国の兵士たちでサッカーをするシーンがあるのだが、ワールドカップの最中という事も手伝って妙に感動的だった。戦争状態にあっても奪われない魂を垣間見た思い。
http://www.mu-cyo.com/
思っていたのですが行けませんでした。
しかしまだまだ見たい映画はもりだくさん。
あっ、今日やっと「コマーシャルフォト」ゲットしましたー。
「余裕」が無いのかもしれないなあ、と思ったりします。
遊び人よりストイックな坊さんスタンスの方が「偉いじゃん」みたいな
感じが(最近はないけど)。
わたしにしてはものすごい勢いで米原作品を読み終えていってます。今日は「ヒトのオスは飼わないの?」を読み終えましたが、これの解説が泣けるほどよかったです。いい書き手は良き解説者にも恵まれるんだなあと思いました。そして・・・もうほんとにいないんだな、米原さん・・・とさびしさひとしおです。
コマフォト購入ありがと!けっこう面白いよね、あの特集。いろんなカメラマンがいるんだなーって思った。