念願叶って「初恋」を観る
2006年 06月 29日
自分が生まれる数年前の熱気と狂気を孕んだ時代。「権力」に身体いっぱいで抵抗し、傷ついていく若者たち。新宿の街は猥雑で暴力的で殺伐としてて刹那的で感情の吐き溜めで。それでも清浄だったりしゃれた街だったりよりも私にはずっとずっと魅力的に思えた。そこには人工的ではなく人の匂いが感じられたから。主人公のみすずが幼いときに別れた兄・りょうに逢うためにこの街のジャズバーを訪れるところから物語は始まる。そしてそこで東大生の岸と出逢う。
権力に角棒を振り回すのもよし。でもあいつらにとってそんなこと痛くも痒くもないんだ。俺は頭で勝負したい・・・岸はみすずに3億円強奪の計画を明かす、おまえだけが頼りだと。あくまで岸は「おまえは女だし無免許だからまず疑いはかけられない」と見込んでの人選を強調する。みすずは頼りにされたのを素直に喜び引き受ける。あの人の役に立ちたい、あの人に認められたい、あの人に喜んでもらいたい・・・女子高生の初恋が事件の背景にあるという設定、事件の善悪はさておき、観ていて甘く切ない気分になったのは言うまでもない。
後にみすずは岸が書き残した詩で彼も自分を思っていたことを知るのだが、その後ふたりが再会することはない。あれは夢だったんじゃないかと思うときがあるけど、心に残った喪失感があれは事実だったと告げている、心の傷に時効はないから、というみすずのひとり語りが印象的だった。
エンディングに流れる「青のレクイエム」がみすずとシンクロしていてとてもよかった。この作品、わたしにとって忘れられない一本になりそうだ。
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映画の中で登場人物の紹介がてら観にいっていた演劇は寺山修司っぽくて(ちょうど天井桟敷が結成された翌年の事件でもあり)当時のアングラな雰囲気が面白かった。
ブンガク、音楽、演劇、映画、、、いろんなものが妙に尖っていて熱っぽかった時代。
でも初恋のようなあまずっぱい感情はいつの時代も普遍なんでしょうかね。
せつなさが伝わってくる…。
確かにネタとして面白そうなのと、
なにせあおいちゃんファンだからさ。
けど、む〜ちょさんのレビューを読んで、それ以上に惹かれ、観に行かねば!と思う次第です。
水曜日に、新宿、行くかな。うん。
このあいだ『グッドナイト&グッドナイト』という映画を観に行った映画館で、この映画の予告編だけ観ました。ヒロイン、いまNHKの朝のドラマにも出ていますが、いい雰囲気持ってますね。
あの三億円を盗まれることになった銀行の近くに、当時住んでいました。私は中学生だったかな。
面白いんなら宮崎あおい好きなんで見にいこうかな(笑)。
アイディアは面白いですよね、三億円事件の犯人が女子高生って。
ただそこがあざとくてアイドルムービーなかんじだと思ってました。