蒲郡へ
2006年 07月 17日
天気は良すぎるくらいの快晴。豊橋で乗り換え電車を待つ間、ホームの端っこにある喫煙所で日差しをよけながらの一服。
蒲郡で電車を降りると、改札にいるからという二人はすぐみつかった。心ちゃんは2月に逢ったときよりも感情表現が豊かになってた。よく笑う。脚が泳いでいるみたいによく動く。ペットボトルの蓋をかじっている。生えたての前歯がかわいらしい。
駅前のお店できしめんをすすりあんみつを食べ、免許をとって3日目の彼女の運転で移動。「わたしの運転こわくない?」と気にする彼女に、「全然こわくないよー。すごい安定してる」と伝える。仮免を4回も落ちたわたしに褒められるのもなんだろうけど・・・。
車から眺めた蒲郡の街はちょっとだけわたしの故郷をほうふつとさせた。海に面した土地で夏の日差しがかんかんとあたったあの空気感、とても懐かしい。建物が軒並み低くて空が覆いかぶさってくるように広い。ちょっと外れに行けば川が流れ緑が濃い。似ている。
「素敵なとこに連れてくよ。多分好きだと思うよ」と言って彼女が案内してくれたのは蒲郡プリンスホテル。倒産したままになっていた蒲郡ホテルを、もとの建物をできるだけ壊さないという条件のもとにプリンスホテルとして再始動したのだという。海を望める高台に建つそのホテルは昔の洋風ホテルといったたたずまい。昭和9年にできたそうで、「舞踏会」とか「晩餐会」とかいう響きがとても似合う。三島由紀夫の「春の雪」を思い出した。
そこでお茶をし彼女の実家へ。蒲郡で獲れる魚介がそろったお店へ連れて行ってもらい、初めてしゃこを食べた。あのヴィジュアルが苦手だったけど、殻の外し方を教わってぱくっと食べたら実にうまくて。それからワタリガニ、鰻のひつまぶし・・・。とにかくうまい!の一言に尽きる。
夜は彼女の部屋でいろいろ話して過ごす。隣人同士だったときよりもずっとずっとたくさんのことを話した。わたしが撮った彼女の写真入りポストカードを受け取った人が、その写真を見ながら描いたという絵も見せてもらった。誰かの絵心をくすぐる写真が撮れたのかなと思うと、被写体の井沢さんに感謝するとともに嬉しい心地でいっぱいになる。
一日蒲郡のあちこちをめぐった。彼女が子どもの頃からご世話になっている画家さんのお宅で絵を見せていただき、竹島の常盤館で抹茶を飲み、海辺を散歩。今は文学館になっている常盤館では、この地を訪れた文人を紹介していた。谷崎潤一郎や川端康成、菊池寛、三島由紀夫・・・。いろいろな作家から愛された土地だと知る。眼前に広がる風景が彼らが書き記した頃と同じであったらいいなと思った。
夜、帰京。たくさん日にあたったせいか、ちょっとだるい。けれどもいい瞬間をたくさん撮れた満足感のほうがまさっていた。早く暗室に入ってプリントしたい!
http://www.mu-cyo.com/
うまい食事、美しい風景、最高ですね。
歯も抜いてもらって、言う事なしですね。
鰻のひつまぶし・・・ものすごく食べてみたいです(笑)
まえまえから竹島に一度でいいから行ってみたいと思っていたんです、なんせ同じ苗字なので。むーちょの日記を読んで絶対今度行こうと決心しました。すごくイイ所じゃないか!
それで宿帳に名前かきこむときフロントの人に「お、竹島さん」と思われたい。
さっそくの小旅行いい旅になったんですね。
親知らず抜歯は2度もえらい目にあったので、うらやましく読みました。
梅干好きにはたまらん一品も気になります。
以前近所のいいという評判の歯医者で親しらずを抜いたときは、麻酔がさめたあとものすごく痛み出してお話にならないくらいだったの。だから今回ほんとにびっくりしたわ。
梅やっこうどん、うどんの上に冷や奴と梅干しが乗っているという至極シンプルな一品。おいしかった。家でもトライしてみます。
彼女のお父様は親しらずを抜くときいてのけぞるわたしに、「俺は腕がいいから大丈夫だ」と言い、ほんとに痛くなかったので、素晴らしい!と拍手ものでした。経験値というのも大いに関係してきそうです。