そこは東北のハワイです・・・「フラガール」を観る
2006年 10月 16日
観たい、心から観たい、渇望しているといってもいい。作業の手を止め渋谷で公開中の映画を調べる。「フラガール」が始まっている。これはなんとしても観ねば・・・というわけで作業はきりのいいところでやめにした。
茨城県北部出身の自分にとって、常磐ハワイアンセンターは毎年子ども会のイベントで訪れる場所。わたしの子ども時代の聖地ができるまでの顛末がフラダンサー誕生までの道のりを軸にして描かれている。そこには人が持ちうるあらゆる感情がつまっていた。大笑いと大涙の嵐。
町を支えてきた炭坑も石油の台頭で閉山するところが増えてきた時代。失業者対策と町おこしもかねて巨費を投じて東北にハワイを作る計画が進められていた。フラダンスショーを名物にしようとダンサーを一般公募したものの、生徒はほんのわずか。ダンス教師としてやってきた平山(松雪泰子)は最初やけっぱちになっていたけれど、彼女のダンスを見てやる気に火がついた生徒たちによって本気モードになってゆく。
保守的な町でダンサー希望の女性たちと平山は一致団結する。女性たちの勇気が実に美しく眩しい。フラを習っているのがばれて父親に殴られた娘のあざだらけの顔を見て、勢い勇んで銭湯まで追っかけて父親に殴りかかろうとする平山の一途さがめちゃめちゃかっこよかった。
娘(蒼井優)が真剣に取り組み踊る姿を見て、それまでハワイアンセンターにもフラダンスにも大反対していた母親(富司純子)が「今までは生きるか死ぬかの思いで暗い穴の中で作業に励むのが労働だと思ってきた。でも、人を喜ばせる労働があってもいいんじゃないか」と言って、ハワイアンセンターに植えた椰子の木を温めるためのストーブを一生懸命集めてまわる姿は、ハワイアンセンターの理念が昔気質の人たちに理解してもらうきっかけともなった。古くからの炭坑の町に新しい息吹が吹き込まれた瞬間でもあった。
2時間強の中にたくさんの印象深いシーンがあった。女性パワー炸裂、でもそんな彼女らを影になって支えた男性諸君(岸部一徳、豊川悦司)もまた素敵だ。彼女たちの想いはしっかりフラダンスの動きに刻まれ、踊るたびに解き放たれてゆくだろう。
http://www.mu-cyo.com/
あらら私も今日『フラガール』見に行きます。
で、ネタバレになりそうなので、むーちょさんの↑文、読んでません
観てから、拝見いたします(^_^)
なぜか、邦画を見ることが多くなり、日本映画復活の兆しですね
そのきっかけの映画が『黄泉がえり』だという話で、真意はともかくファンとしては嬉しい限りです
常磐ハワイアンセンターだよね。
む~ちょの文章読みながら場面がよみがえりました。
私も松雪泰子演ずる平山が、銭湯まで娘の父親を追ってくシーンは
大好きで、ああいう一途さがたまらず良かったなぁ。
そうそう男性陣も“カワイイ”んだ、また(笑)
ハワイアンセンターは実はまだ行ったことがないんだけど、前からすごく
気になってたのね。今度ぜひ行ってみようかなって思ってます。
落ち着いたらまた観に行こう〜。