人に逢うの記
2007年 09月 16日
京都行きが頭にあってか、本屋ですぐに目に留まった「浅田次郎新選組読本」。「壬生義士伝」と「輪違屋糸里」を読んだこともあって即購入。新撰組ゆかりの地が宿泊する場所周辺にけっこう固まっていることが判明。朝の散歩がてらにうろつくのもいいだろう。俄然楽しみになってきた。この本まだ読みかけだけど、新撰組をこよなく愛する人たちの熱い思いがあふれた一冊だ。んー、また「燃えよ剣」が読みたくなってきた。
過日、長野の上田でガラス作家をしている友人Kが上京、滞在最終日を一緒に過ごすことに。どこに連れてゆこうか迷ったすえ、午前中は東大キャンパス散策、午後は新宿末廣亭で落語を聴くことにした。
近況を語り合いつつキャンパスをうろうろ。安田講堂の前で記念撮影し、三四郎池で鯉や亀をからかう。何故この場所か。おそらく彼女は自分同様ヒルズとかミッドタウンといったおしゃれ物件にはあまり興味がなさそうだし、ガラスという立体に関わっている人だから現代には再現できなさそうな構造をあちこちに備えた東大キャンパスは見る楽しみがあるかなと思った由。そして新宿末廣亭。東大からなら上野鈴本演芸場のほうが近いけど、是非とも末廣亭のそこだけ時代を遡ったかのようなたたずまいの中で初落語を体感してもらいたかった。桟敷席で足を伸ばしのんびりしながらの落語タイム。笑い声がしきりに聞こえてきたから第一印象はおそらくよかったと思う。
また過日、同業の友人と新宿でご飯を食べる。漫画「NANA」の中に「人生七転び八起き。立ち上がり続ければ勝つんだよ」というナナの言葉があるけれど、この友人はまさにそれを地でいっている人で、あたしなんかからするととても立ち上がれないようなことに出くわしても必ずパワーアップして立ち上がる。そんな姿を見ていると頼もしくそしてかっこいいなって心底思う。愚痴めいた話題でも自然とどうすれば現状打破できるかという至極前向きな方向へと展開していく。こたびのご飯もまたそんなふうに話が進み、またこないだちらっと訪れた天王寺の話など関西出身の彼女からさまざま聞き、いずれ彼女の案内で大坂めぐりをしたいと思った。
さらに過日。以前一緒に仕事をしたスタッフと青山で飲む。ひとつのものをともに創り上げた人たちだからなんとはなしに一方的に同志意識を抱いている。特にデザイナーさんには写真を隅々まで見られているわけで、取材現場をともにしたわけではないのに妙に丸裸にされたような気がしてくるから不思議。この席で八丈島行きのお誘いを受けた。今年は頻繁に旅行に誘われる年で、こういうことも稀だから思い切って話に乗ってみることに。
八丈島、もとより興味はあった。関ヶ原の陣の後、豊臣方の武将・宇喜多秀家とその息子が流された地。「中納言秀家夫人の生涯」という時代小説を読んで、いつか八丈島に宇喜多秀家の墓参りをしたいと思っていた。きっとこれがそのタイミングなんだと思う。時間はあるし、道中作品を撮るつもりで行ってみよう。
時と場合によっては人に逢うのは大変にエネルギーを要することだけれども、自分にとってはエネルギーをもらう絶好の機会であることが多い。何か面白いことを考えていそうな人に接すると自分までも面白い空気に包まれそうで、そういう機会は逃したくないからアンテナは磨いておかねばと常々思う。いつだって身軽に駆けつけられるようにしていたい。
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