春の入り口、雑感。
2008年 03月 12日
どういうわけか、ありがたいことなのだけど、1月後半から仕事があれよあれよと入ってきて、アウトプットする日々が続いている。そろそろ何かインプットしたいなあ。遠出してぼんやりできる状況でもないから、できるインプットと言えば読書くらい。立て続けに新宮が舞台の中上健次作品に没頭。血の宿命に抗えずはかなく散っていく若者たちの命の話がオリュウノオバの昔語り風に綴られていて、胸がいっぱいになる。夏芙蓉ってどんな薫りなんだろう。その蜜を吸いにくる金色の鳥ってどんなん?・・・新宮を内包する紀伊半島に興味がわきまくる。
着付け教室の試験を受け、無事卒業と相成った。約2ヶ月、こまめに通って自分で着付けられるようになった。帯の結び方も三通り教わって、あとはもう実践あるのみ。着たくて着たくてしようがないけど、着物で仕事するわけにもいかないから週末まで我慢。気休めにリサイクル着物屋さんのウェブサイトを物欲しげに眺める。
上京した頃から使っている10数年もののCDラジカセ、とうとうイカレてきて読み込まないCDがある。それが買ったばかりのBUMP OF CHICKENのアルバム。事務所で聴くしかないかと思った矢先ふと気付く、Macで聴けばいいじゃん、と。そんなわけで「くるり」で和み、BUMPでテンションを上げる。岸田くんの言葉は「想い」、藤原くんの言葉は「詩」。そんな印象。どちらも甲乙つけがたいくらいにいい。くるり脳が少し落ち着いて、ほかの音楽を入れる余地ができた。
先日、部屋を花で飾ってみようという撮影をして、帰りに使った花をお裾分けしていただいた。「イエロー・アイランド」という名前の黄色い薔薇を事務所に飾っておいたら、一週間経って薫りが増しているのに気付いた。撮影時は蕾だったのがおもいきり花開いて重たそうに傾き薫りを放つ。きっとそろそろ朽ちてゆく。薔薇にかぎらず朽ちていこうとする花の姿が好きだ。ぼたぼた落ちた藪椿とか、散った桜の花びらとか。このイエロー・アイランドはどんなふうに朽ちてゆくんだろう。毎日水をかえつつ観察しているところ。
きのうは志ら乃さんの独演会の高座撮影。今回のパンフレット、意外な写真が使われていて思わずほくそ笑む。こういう写真を使ってくれちゃう人なんだと思うと、俄然撮るテンションが上がる。撮影後撮った画像を見るのがすごく楽しみ。
最近のわたしの楽しみ。着物に読書にくるりにBUMP、ささやかなお裁縫に夜中の自炊、日々のコーディネート。今宵のご飯は二種類のお豆とほうれんそうとニョッキを塩胡椒でささっとあえたもの。どうしてもお豆が食べたくなって。暖かくなって冬のコートと早々におさらば。明るい色目の洋服が着たくて着たくてうずうずする。明日は午後から暗室に引きこもる。これも久しぶりでワクワクする。こないだウィーンより友人から久々に長い長い手紙が届く。返事を少しずつ書き始めた。わたしからの手紙もきっと長くなるだろう。これをしたためるのもとても楽しみ。小さく楽しむ春の入り口。
ウェブサイトの更新、遅れます。15日あたりアップ予定です。「名張・室生寺編」の続きになります。まだまだ夏の写真。