仕事のない日はお着物で。
2008年 04月 10日
5日。田町のフォトギャラリーインターナショナル(PGI)に平間至氏の写真展をピンカラのりつさんと観に行く。縞柄の紬がごわついてどうにもすんなり着付けられず手こずりまくって待ち合わせ時間を30分もオーバー。かっこわるい。
平間氏が故郷・塩竃を舞台に舞踏家・田中泯氏を撮ったモノクロ写真の数々。オープニングではゆっくり見られなかったので今度は会場のセンターテーブルに腰を落ち着け、じっくり眺め回す。平間氏は何に感応してシャッターを切ったのだろう、泯氏はどんな感情に突き動かされて踊っているのだろう・・・そんなことをあれこれ思い浮かべつつ。一目見て好きになった作品、ふた目にして好きになった作品、見つめるうちに気になってしようがなくなった作品・・・。息を詰めるようにして泯氏を追う平間氏の熱っぽいまなざしが伝わってくる。
会場を後にし居酒屋へ。飲み過ぎたつもりはないけど帰りの山手線で危惧していた通り、口を開けた状態で眠りこけていたらしい。飲み屋での神妙な相談ごともパァになるようなまぬけ面だったんだろうなあ・・・。
6日。OさんIさんと柳家小三治独演会を聴きに日野へ。いつも着物姿のふたりに晴れて仲間入り、前から三列目の席で小三治師匠の「厩火事」と「付き馬」を大いに堪能。マクラで「今を楽しく生きようではないか、来世は苦しくてもいいから」などと言って客を大いに笑わせ、今が楽しくってしようがない度いっぱいに高座を勤めておられた。三人で「小三治師匠愛くるしい〜!」ときゃあきゃあ。大満足の落語会だった。この日は買ってから一度も着て出歩いてなかった深緑のお召しにレモンイエローのアンティークの帯を締めて。
今日。用件がPONY CANYONから近々発売になる落語CDの写真納品のみだったので着物で出かける。納品先のN氏は「あなたの着物姿がまるで想像できない」とかねてよりおっしゃっていたのでお披露目のつもりで。先日の縞柄の紬にいただきものの臙脂色の帯で。そのまま靖国神社の境内にある茶店に行き、昼間からお好み焼きと焼きそばをつまみにワンカップで乾杯。着物話・落語話を際限もなく。
行こうと思っていた落語会まで時間があったので、渋谷で「ルノアール展」を観る。西洋の小説に出てくる「薔薇色のほお」というものをルノアールの絵で目の当たりにする。静脈が透けて見えるような肌の白さ、木陰にいるときの肌の青白さ、木洩れ日のきらめき、素敵だった。「ぶらんこ」というタイトルの絵がことに印象に残った。
三軒茶屋で降り、のったり若林まで歩く。開演の20:30まで少し時間があったので駅前に唯一の喫茶店で珈琲をすする。懐かしの若林、初めてできた彼氏が住んでいた街。よく行ったパン屋はどこだったか思い出せず。「世田谷233」というギャラリーカフェで毎月行われている「233落語ナイト」。初めて来たけどこの日が三周年だそうで。入船亭遊一さんと古今亭菊六さんが一席ずつ。双方好きな二つ目さん。小さい会場だけどその分高座との距離が近く、密度も濃くてとてもいい落語会だった。
着てぶらぶらするだけでどことなく楽しくなる着物。楽しい楽しい言っているうちに着物地獄に大はまり・・・。