ライブ余談。
2008年 08月 27日
なんだか突然奥田民生が聴きたくなり、「股旅」を取り出す。10年も前のアルバムなのね。音楽シーンに疎かったわたしが初めてROCKというジャンルに触れるきっかけになったミュージシャン。やっぱりいい声だ。歌詞と声が好きならたいてい好きになっちゃう。
写真を撮るようになって、ライブが撮ってみたくて、「バンドメンバー募集」の掲示板に「ライブ写真撮ります」と貼り紙したのは24の頃。それから周りにバンドをやっている人が増えた。当時は無意識だったけど、PONY を撮っていてふと気付いた、撮りたくなるラインがあるってことに。細身のギタリストが背中を丸めてギターを強く抱きしめるみたいにかき鳴らしているときの身体のラインがすごく好きだ。ボーカリストががつっとマイクをつかんで食らいつくように歌うときの横から見たラインも好きだ。低く縦揺れしていたベーシストがドラムとタイミングが合う瞬間にベースを振り上げて一気に下げながらかき鳴らすその一連の身体のラインが好きだ。ドラマーがここぞってときに頭をがくんと振るその動作も好きだ。そういう瞬間にときめきながらライブを撮っている。
インディーズだとかプロだとか関係なく、情熱のすべてをさらしているようなパフォーマンスはちゃんと胸に響くって信じている。できるならば、「今ここで死んでもいい」ってステージ上の人たちが感じまくっているような最高に気持ちのいい痺れるライブを見たいし撮りたい。いつも見たいからほんとに死なれちゃ困るけど。
どの撮影も一期一会だって当然のことを自覚するようになってから、ひとつひとつの撮影に臨むときの気持ちが随分と変化した。仕事の撮影なら次回も同じスタッフでやる場合があるけど、それはまた別の一期一会。ひとつひとつを愛おしんで毎回真っ白な灰になるくらいの気持ちで撮影したい。まだまだ手ぬるい。
ウェブサイト更新しました!今月は若手噺家・立川志ら乃さんの真打ちをめざす姿を撮影した写真たちです。http://www.mu-cyo.com/