ひさびさPONYのライブ
2008年 12月 12日
急いで機材をまとめ渋谷のライブハウス・クロコダイルへ。PONYのライブへ行くのは夏以来。一年間のライブサーキットのひとつの区切りのライブ、といった感じかな。メンバーに逢うのもほんと久しぶりだからなんだかどきどきしてしまうよ。
開演から15分遅れで到着、すぐに撮影開始。そうそう、この感じ!PONYだPONYだ。ステージからPONYの音があふれてくる。サックスが入った編制は初見なのでそれが殊に新鮮にきこえる。ボーカル・タッシーのMCはやはり巧みで、観客の心をどんどんときほぐしていく感じ。進行役・橋本くんの振り切れたトークとの相乗効果で楽しみやすい空気を醸し出してゆく。
ステージぎりぎりまで客席があるので食らいつきで撮るのは断念、客席後方や間から撮っていたけど聴き入るシーンも多かった。久しぶりのPONY、ライブ感にひたひたになりながら撮る楽しみったらない。どのあたりがかはうまく説明できないけれど、タッシーなんだかエロくてかっこいい。今日はほとんどタッシーカメラ状態。撮った枚数の3分の2くらいをタッシーが占めた。最近年末進行のさなかにあって仕事に忙殺されている身なので、この夜のライブは写真を撮るのを楽しむ一方でとても癒されるという、カメラマンなんだが客なんだか状態だった。
縦ノリ系ロッキンなライブも好きだけど、PONYのように聴かせつつも徐々に心が華やいでくるライブもやはりいいなあって思う。ステージと客席がお酒飲みながら楽しげにおしゃべりしているみたいなライブなんだよね。ロッキンなライブは「会場にいる=ライブ渦中」でしかないんだけど、PONYのライブは「ちょっと飲んでいくかい→仕事の後の酒は旨いね→お、今夜はバンド演奏があるんだね」とか言っている間に酒場の空気のすき間すき間にPONYの音がしみわたっていって、気が付くと連れの顔を見ずにステージ向いて飲んでいる、みたいな感じがして、日常の一場面の中に音が広がっていくのを感じる。
音楽シーンに疎いし楽器が何ひとつ弾けないからなのか、ミュージシャンというのは自分にとってときめきの対象度が強いことをここ数年の我が身を省みて気付く。アシスタント時代様々なカメラマンに接したけど存在そのものにときめくってことはなかった。それはカメラマンという職業が自分にとってものすごく現実的だったからかもしれない。その点ミュージシャンという存在は自分に引き寄せてみることができないからなおさらときめいてしまうのかななんてなことをPONYのライブを観て改めて感じる。同じく「表現」という地平に立っている点ではなんら変わらないのにね。それにしてもかっこよかったなあ、みんな。