柳家喬の字歩みの会→浅草演芸場→落語睦会→弾き語りライブ→萬金寄席
2008年 12月 19日
その1。柳家喬の字歩みの会。喬の字さん、とにかくトークが達者。噺と噺の間に挟まれるトークが実に面白い。落語界に入るまで福祉のお仕事をされていたそうで、そのサービス業での経験が高座でのトークにとても生かされているかと。そしてとても楽しげに幸せいっぱいに高座をされる。と同時にさん喬師匠に心酔しまくっているのも伝わってくる。そんな姿を伺っているとこちらも楽しく嬉しくなってくる。焦らずにその情熱のままに歩んでゆくゆく大きくはばたいて欲しいです。
その2。久しぶりのプライベートで浅草演芸ホール夜席。昼席トリの市馬師匠から入場する。市馬師匠「花筏」。いい喉を披露、客席から大きな拍手。夜も好きな芸人さんだらけ。さん喬師匠・権太楼師匠のみならず、ロケット団も大好き。長いから途中寝ちゃったりするんじゃないかと思ってたけど、そんな心配もなく笑いっぱなしで番組が進んでいく。後ろに座ったおばちゃんのリアクションがいちいち面白くて、高座のみならずそちらも楽しむ。これも寄席の醍醐味。初めて聴いた伯楽師匠、「真田小僧」とても面白かった。志ん駒師匠は年齢を感じさせない若々しさ。扇橋師匠の「つる」は何度聴いてもおかしい。さん喬師匠「徳ちゃん」、トリの権太楼師匠は年の瀬らしく「睨み返し」。寄席がはねた、さあ帰ろうと思ったらデータの追加納品メールがきていて事務所に引き返す。
開口一番 入船亭遊一 「たらちね」
入船亭扇遊 「お見立て」
仲入り
柳家喜多八 「二番煎じ」
瀧川鯉昇 「芝浜」
扇遊師匠演じるところの花魁はちゃっかり者で小憎らしいけどどこかキュート。そう、小悪魔的って感じですごくかわいい。喜多八師匠の「二番煎じ」、最高!冬の夜回りの凍えるような寒さと室内の暖かさのコントラストが見事。しかも燗酒や鍋の匂いが高座から漂ってくるよう。一杯やりたくなる高座。落語協会の番組を聴く機会が圧倒的に多いから芸術協会の鯉昇師匠の高座ってそうたくさんは聴いたことがないけど、聴けば必ず素敵な高座を披露してくださる。年末らしく「芝浜」。おかみさん、できた女だよなあとこの噺を聴くたびに思う。落語に出てくるおかみさんってできた女が多いように思う。だんながどんなにダメ男でも見捨てないで相手の真心を立ち返らせ感謝までさせちゃう。余談ながら最近のわたし、「味噌汁を作って飲ませたい!」と思うような人がどうもツボらしいことに気付く。きゃあきゃあしているあの人もこの人もその人も皆一様に「味噌汁飲ませたい」妄想に駆られる人なのだ。嗚呼・・・。何かしてもらうよりもしてあげたいと思う性分みたい(気持ちに余裕があるとき限定)。
開口一番 柳家ろべえ 「初天神」
柳家喜多八 「六郷の煙草」
「首提灯」
仲入り
柳家喜多八 「睨み返し」
ろべえさん久しぶり。でも前に聴いた「初天神」のほうが面白かったなあ・・・。喜多八師匠、煙草デビューは遅かったのにいつの間にかやめられなくなった等の話から本題へ。初めて聴いた噺。エンドレスに続きそうな煙草の銘柄あてのシーンがおかしい。「首提灯」は冷静に考えるとグロテスクな噺。気付いたら首を斬られていたなんて!
仲入り中に喫煙所に行ってTさんとおしゃべりしていたら喜多八師匠がお着物姿のまま現れる。繰り返し写真展来場のお礼を述べる。「ちゃんとマナー守って吸ってますか?いやあ、肩身狭くなったねえ」とおいしそうに煙草をのんでいらっしゃる。素敵でごわす。こないだ落語教育委員会でも聴いた「睨み返し」。小さい会場で聴くほうが噺の情景にしっくりする気がして、今回のほうが面白く感じた。
2ヶ月さぼっとりましたが、ようやくウェブサイトを更新しました!初上陸の沖縄で撮った沖縄色の写真をアップしてます。http://www.mu-cyo.com/
喜多八を見てムーチョさんの展覧会を思い出してましたよ。