先人は偉大なりけり
2009年 02月 04日
被写体は飛行撮影家の素敵なおじさま。インタビューを撮りながら伺ったこれまでの経緯や撮影逸話はとても豊かで刺激的なうえに、ご本人の撮影観もひじょうに明快で、映像とスチールの違いはあれど、ファインダーをのぞく商売をしているこちらにとってもありがたいヒントがたくさんで、すっかり魅了された。なんて素敵な人なんだ!
インタビュー以外のカットもあれこれ撮って撮影終了、お別れの際にお会いできて嬉しかった気持ちや感激したことなどをなんとかうまく伝えたかったけど、言葉がうまく出てこなかった。そんなわたしにその方は「基礎はあるわけだから、あとは撮りたいように好きに撮るだけだよ」と言葉をかけてくれた。第一線をゆく方はみな同じようにおっしゃる。立川志らく師匠もそう本で述べておられた。
飛行撮影という毎回一歩間違えば死ぬような状況にも関わらずぎりぎり一歩を踏み出さないと撮りたい絵が撮れないんだというお話を伺い、まるで「花の慶次」の世界だわーと思った。相手の間合いに一歩踏み込むとか、命のやりとりとか、そういう表現が作中に度々出てくるけど、被写体である風景を相手に命のやりとりをしているんだとおっしゃっているかのようだった。そうした心持ちで撮られた映像はきっとものすごい迫力に満ちたものだろうと想像がつく。
フレームの中で自由を得たその先にあるもの、見えるものって何だろう・・・。そんなことに思いを馳せていたらむしょうに旅に出たくなった。こういう抜けのいい心持ちはほんとに久しぶりなので、なんだかとても気持ちいい。
ファインダーの中の自由はまだまだ遠い境地です。いつかたどり着けることを信じて前を向くしかないっすねー。