おだてに乗りやすい性分
2009年 05月 03日
Lois CRAYONというそのショップのラインナップは甘過ぎずスタイリッシュすぎず流行一辺倒すぎず、ベースにはトラッドな香りを残し、シーズンが変わっても一貫したテーマが感じられる。また、ここのコンセプトが面白い。「スコットランドにあるクレヨン家の次女で音楽家・ロイスのクローゼットの中身」をイメージしたショップだという。ロイスもクレヨン家も架空ながら、その物語性と遊び心に大いに心惹かれ、一目惚れした服を何度か購入したことがある。まあそれにしても実に大きなクローゼットなのだが、「これはロイスの部屋着かな。このワンピースは勝負服かもね」などと想像しながら、自分ではとても着られそうもない服を眺めるのも楽しい。
店に入った途端目が吸い寄せられた。色もデザインもすごく好みで手に取ってじろじろ眺める。最近ぱーっと買い物しまくったうえに洋服は徹底してカジュアルにしている現状では、その服は予算オーバーでありかわいすぎる・・・と冷静に判断する一方で、たまには女子服も着たまえよという心の声も聴こえる。夏はTシャツにデニムが仕事着、お出かけは着物で、と決めた心がたちまちに揺らぐ。その揺らぎを見逃さなかった店員が「せめて試着だけでも」と勧めてくる。試着して気に入るとほぼ確実に財布のひもを緩める自分の弱さを知っている。あらいいんでないの〜というわけでお買い上げ。あたしの城はすぐ落ちる。難攻不落でもなんでもない。店員にしてみたらちょろい客だろう。
で、気付いた。「たまには女子服を」と言い訳して買い物するときの「女子服」って「赤毛のアン」調なのだ。露出のない襟まわり、二の腕がリアルにならない袖丈、そして身体のラインが強調されないデザインで小花柄。思えば似たラインの服ばかり持っている。自分が好きな路線って年を重ねても全然変化が見られない。「武藤さんよくお似合いですよ」「これがラスト一枚です」・・・すっかりおだてられた。おだてられて木にのぼっちゃう才能にかけては豚にもひけをとらないかと・・・。