時代が生んだ徒花・川島芳子の生涯が花開く。
2009年 06月 25日
時代物とはいえ、とてもわかりやすい。登場人物それぞれの立場が至極明解。芳子を取り巻く男たちにはそれぞれの思惑なり気持ちがあって最初は彼女の前に膝まずき、最後には付き人の小坂以外はみな彼女から離れていく。前半と後半で彼女の立ち位置は180度変わってしまう。
その芳子を熱演するのが15年来の友人・おぉじのりこ。去年の春頃からこの舞台の構想を逢えば必ず語っていた彼女。今日ゲネプロを撮ってみて、彼女がやろうとしていたことの大半は叶ったんではないかと感じた。友人であることの贔屓目など一切なく、すごくいい芝居だ。予想を遥かに超えて素晴らしかった。心から、関われたことを光栄に思う。
芳子「人を殺すことは罪。しかしこの国の歴史は血で書かれている。僕の名も血で書かれるだろう」
甘越「無理だよ。彼女はもう、歴史に組み込まれてしまった」
撮っていて胸が熱くなった。時代がもっていた熱気、彼女の情熱が塊になってこちら側に去来する。助からないのはわかっているのに、つい思ってしまう、「彼女を置いていかないで、彼女をひとりにしないで」と。
大路組「Lady BAT」は24日から28日まで品川六行会ホールにて。27日の夜、28日の公演後に音楽を担当したPONYのライブがロビーであります。平日分のチケットはまだ余裕があるそうなので、この機会に是非会場に足を運んでみてください。詳細は大路組のウェブサイトにて。http://www.Oojigumi.com/