「戦後」
2004年 08月 12日
この動きに対して警鐘を唱えるのが、玉音放送に関わったという元NHK職員の方。「メディアはイラクに派兵している自衛隊取材において、防衛庁との間で一定の情報は報道しないことで合意している」に対して元職員の方は、「満州事変」や「日中戦争」当時に似ているのではと指摘する。イラク派兵・多国籍軍参加をなし崩し的に決めた首相のありかたも「戦前のやりかたえをまねているようだ」とコメント。
・・・メディアの現場の生き証人の見解だけに重い。軍国主義を掲げていた頃から後の日本をずっとみつめてきたわけだ。
「日本放送協会(現NHK)は戦前は政府・軍部、戦後は占領軍と、四半世紀にもわたり検閲下にあった。いろいろ疑問を持ちながらも、うその放送をしてきた私の責任は大きい。戦争に賛成できないことを表明できなかったことは、ジャーナリストとしても人間としても深刻な問題だ。私の[戦後]は死ぬまで続くだろう。(以下略)」
この方にとっては、21世紀を迎えた今でも「戦後」が続いている・・・わたしがそこに着目したのには、わけがある。
予備校時代の英文和訳の授業。英文中「After war」とあった。皆判で押したように「戦後」と訳した。そこで先生はみんなの「戦後」観を尋ねた。様々な意見が出た。「次の戦争が起きるまではずっと[戦後]なんじゃないか」「日本は一応戦争しないことになってるから[次]っていうのは変」「昭和から平成になった時点でもう[戦後]じゃない気がする」「太平洋戦争の後、朝鮮・ベトナム・湾岸戦争とあったけど、どれに対しての戦後なのか」等々。わたしは「50年前(当時)のことだし、高度経済成長も経てだいぶ変化したからもう戦後じゃないんじゃないか」というようなことを言った気がする。部分抜粋の英文が出題されていたから、どの戦争の後のことか等わからないことが多かった。先生的には、和訳は英単語を日本語に置き換えればいいわけじゃないということを伝えたかっただけかもしれない。けどこの授業は記憶の中にしっかと根付いて、この時期「戦後」の文字を見るとふっと思い出してしまうんだ。http://www.mu-cyo.com/