魂の洗濯・その2〜PONYのライブへ行く〜
2010年 08月 15日
夜は渋谷のライブハウス「クロコダイル」で、大所帯バンド・PONYのライブを京子ちゃんと堪能する。
うーん、PONYラブ!大好きPONY!!!とても幸せなひとときだった。二曲目の途中で京子ちゃんが船場吉兆のささやきおかみの如く、「むーちょ、今日来てよかった、とても!」と伝えてきた。んだんだ、来てよかっただなあ。彼女もわたしもふだんはギタリストのROCKYにきゃあきゃあするクチなのだが、この日はじーっとタッシーの歌う姿ばかりを見ていた。嗚呼、沁み入るなあ。タッシー、痺れるよ。
1930年代のアメリカ音楽を愛するPONYの歌には、孤独な心にそっと毛布をかけてくれるような優しさがある。今日はダメでも明日はちゃんと訪れる、だからそんなに肩を落としなさんなよ、と肩をぽんぽん叩いてくれるような、そういう希望感がある。「風とともに去りぬ」のラストシーンがなんとはなしに思い出される。あれも30年代の映画だったっけ。
ROCKY作の新曲、入りの音のテンションにぐいっと引き込まれた。東欧圏の音楽っぽいテンション。なんとか短調とか表現するのだろうか。音楽的知識皆無なのでよくわからないけど、社会主義の国の音って印象だ。民族音楽的とでもいうのか、すんなり「あ、好き、こういう曲!」と思った。大所帯ならではのにぎやかな曲もいいけど、しっとり聴かせる曲もいい。PONYに出逢ってから、ものすごーく狭かった自分の音楽世界が広がった気がする。自分からいろんな音源を探しまわったりは相変わらずしないけど、こういう世界もあるんだ、なんて素敵な世界なんだろう、ということに気付けた出逢いでもあった。ロックももちろん好きだけど。
まだフリーのアシスタントをしていた頃、手伝っていたとあるカメラマンの人に、「30越えると感性が摩耗するのか、だんだん感動するとかそういうことが減ってくるもんだよ」と嘆かれたことがある。当時20代半ばだった自分にはピンとこなかったけど、いやいや30代、めっちゃ面白いっすと。出逢ったもの軒並みすべてにはまりこむわけじゃないけど、ああいいなとかこれ好きだとかいう対象がぐーんと増えた。もっと知りたいと深追いすることもある。これは恋愛と同じではないか。そうだ、わたしはPONYにも恋をしているのだ。ゆっくりのんびり長ーい恋をしている。そういう好きがたくさんできたのがわたしの30代の日々だ。
WEBアニメの主題歌をPONYが担当するそうだ。彼らの音楽がもっともっとたくさんの人に届く絶好の機会。今後の活動も楽しみにしたい。
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でもあの日は本当にいい夜だった!
必要があって、あの日あのライブを見たんだって感じがした。
PONYって、音楽ってすごいよね。