雑貨屋のおねいさん。
2010年 11月 07日
その帰宅の道すがら、近所のおしゃれ雑貨屋に寄る。ここの店番のキュートなおねいさんとはすっかり懇意で、以前家に工事が入ったときには我が家の猫を預かってもらった。瑣末なことはさらーっと受け流し、言うことはしっかり言い、ノリはちゃきちゃきで、姉御タイプの頼もしい感じ。2つか3つ年下のはずなんだけど、おねいさん然としている。
店内では近況報告も含めのんべんだらりとおしゃべり。「あ、みかんあげる。なんか家の庭になったっていうみかんを送ってくれたの。愛媛のだからってすんごく甘いとかそういうわけじゃなくふつーのだから」とみかんをふたつくれ、「ぶーにゃん元気ー?」と。彼女はうちのぱちのことをぶーにゃんと呼ぶ。「また連れてきて〜。いつでも預かるからさー」と笑った。
外の通りがにぎやかになった。日大商学部の学祭がちょうど行われていて、どうやらマーチングバンドが街中を練り歩いている模様。「あ!きたきた!」と外を見やると、チアリーディングの女子たちが笑顔で生足をちらつかせている。「いやーん、若ーい!」「眩しすぎるー!」「あんなに脚上げちゃってるよ」「かわいいねえ」・・・思いつくことをどんどん口にし合う。なんだか目線がおっさんだ。「嫉妬しちゃうよ」「若さをきらきら振りまくような青春じゃなかったなあ」「あたしもー」「映画館のレイトショーとか行って、朝日が眩しいとか言って帰宅して寝て、みたいな」「そうそう!そんな感じだったー」・・・このおねいさんと話してると、同世代感を共有しまくれる。
どんな映画が好きだったか、どんな本を読んだか、どんな音楽を聴いていたか、どの劇団が好きだったか。カルチャー面の一致って大きな親近感を催すきっかけになる。お互いの素性を事細かに知らなくても、その一致とそれに関するおしゃべりの中で腹を割れるというか信頼できるというか、そういう匂いを感じてきた。家に地デジの工事が入ることになって、ぱちをどうしようと思ったときにふっと「あのおねいさんのとこに連れていこう」と真っ先に思いついたのも、これまでにたくさんの一致を感じていたからだと思う。彼女なら大丈夫、任せなさい、と請け合ってくれるはずだ、と。
この店に春先からあるメルヘンテイストなアップリケの入った作家ものスカート。ものすごくかわいくて面白くて欲しいんだけど、「うーん、すんごく似合うんだけどねー。ほらさ、うちら30代も半ばだしね、あれだね」とおねいさんは言い、わたしもその言わんとするところを同様に感じているのでやはり手が出ない。「あと10歳若かったら!せめて30歳だったら!」と身悶えすると、「そう、そうだったらわたしも遠慮なく勧めるー」と彼女。ああ、やっぱりいいな、こういうやりとり。
(写真は本文とまるで関係がない。そばパンに手製の具を入れての朝ご飯)