世田谷ボロ市へ
2010年 12月 16日
この秋にパリでの個展を終えた彼女に写真展の相談をしたかったし、ボロ市で何か展示のヒントになるものが見つかればと思ってはいたものの、実際足を踏み入れると物欲と食欲に走り、落ち着いてもろもろの話をしたのはひと通りボロ市を眺めた後に入ったファミレスでだった。
散策初期の段階でのぞいた家具屋の店先で、アンティーク具合のいい木箱を見つける。商品を入れるのに使われていた箱だったけど売ってくれるというので購入、暗室道具の収納用に。ものすごい雑踏の中をでかい木箱を抱えて歩くのはなかなかに難儀だったが、これを持ち歩いていたことで道行く人に何度も声をかけられた。「そういうのどこに売ってましたか?」「いいの見つけたね」「いくら?2000円?高いわね!」等々。京子ちゃんの報告によると、通りすがりの男性が「箱がかわいい」と言っていたらしい。あくまで「箱」が、だ。途中、近くに住むYさん母子も合流、代官屋敷の前で立ち話に転じる。ベビーカーの息子君を撮っていたらカメラに興味を示したので撮り方を教えると、きゃっきゃと喜びながらシャッターを切っていた。
毎年ボロ市をのぞくが、必ず食べるのが物産ブースにある「おやき」。ふかしたてを食べる醍醐味と言ったら!Y子さん母子とお別れした後、柏崎のブースで里芋とおあげがたくさん入った「おいな汁」を食べる(汁物食べないとおなかがいっぱいにならん、と言いながら・・・)。購入した木箱をテーブル代わりに使っていたら、周りの人が備え付けのものだと勘違いして甘酒を置いたりなんかして、見知らぬ人たちと顔を見合わせ大笑い。今日の主役は木箱に決定、だ。
インドの布地を扱う店で更紗模様の木綿を購入、これはいつか帯に仕立てよう。店のおじさんがインドの布のあれやこれやについて話してくれたのがえらく興味深かった。古物屋さんで素敵な色合いの絵皿を購入。半額にしてくれたお兄さんがくるりの岸田くんと加瀬亮を足して2で割ったような好男子で、もっと買い物したくなるような心地だった(が、勧められた狸の剥製はさすがにいらない)。
そんなこんなであちこちひやかし、時折財布のひもを緩め、そうしてファミレスに落ち着いたのは日もすっかり暮れてから。ここから写真展のことや近況をあれやこれや延々話して、解散したのが22:00。まだまだ話し足りないような気もするけど、写真展のことをいろいろ相談できてよかった。テンションが上がってきた。すこぶるいい心地。