「文藝春秋」3月号を読んで
2011年 02月 20日
例年通り2月暇気味状態なうえに個展後症候群で気が抜けていることもあって、感情が野放しになっている。おかげでとっても涙腺が弱い。新聞の特集を読んでは泣き、志らく師匠の「中村仲蔵」を聴いては泣きが入りそうになり、飼い猫ぱちがべったりと寄り添ってきて眠る姿にも泣きそうになる。そんなだから、事務所から帰る電車の中で「文藝春秋」3月号の特集「秘めたる恋35」を読んで泣けてきた。古今東西の情趣ある恋物語が紹介されていた。
大学4年のとき、卒論で作家の檀一雄を取り上げると母に話したら、「なんでまた家族を捨ててたような作家を・・・」と絶句された。そうか、世間的にはそういう認識なのか。そんなこと言ったらどの作家も取り上げられないよ。残された作品が胸を打つのなら、その作家のプライベートが破天荒だろうとかまわない、それもまたその人の色気の部分だろう、と反論した。まあ、浪人までさせ4年間東京の私大に通わせた親からすれば、もっと集大成的なテーマに挑んでもらいたかったのかもしれず、絶句もさもありなん、か。