寒梅酒造「宮寒梅」
2011年 09月 07日
訪れた三カ所のうちのひとつが、古川の寒梅酒造。取材に伺う前日、食事がてら入った居酒屋の利き酒セットの中に、この蔵元の「宮寒梅」も入っていた。事前に飲んでみようということになり、みんなで試飲。これが香り豊かでひじょうに飲みやすいお酒だった。
訪れた寒梅酒造は蔵が全壊判定を受け、仕込み再開に向けての再建工事が始まっていた。工事車両が行き交う中を案内してもらいながら震災以降の話を伺う。はかりしれないほどの大変な目に遭いながらも再建に歩み始めた若夫婦の姿は活気に満ちていた。蔵の前に広がる田んぼには、酒米になる稲が青々と育っていた。
帰京してから「宮寒梅」を扱っている酒屋を探す。売り切れ店続出な中、在庫わずかという宮城県内の店を見つけ、二本取り寄せた。一本は友人の引っ越し祝いにとっておき、もう一本を自分用に開ける。これが実にうまい。かといってさほどアルコールに強いわけでもないから、何回にも分けてちびちび飲んでいる。震災に耐えた宮寒梅、とても気持ち良く酔わせてくれるお酒だ。