おそらく疲労が溜まっていたところに寝違えたせいだろう、首の右側の付け根から肩にかけての違和感が抜けなくて、近所のカイロプラクティックに何度か行ってみたけど、イマイチ回復に向かっている感じがつかめないので、たまたま通りかかった三軒茶屋の気功整体医院をのぞいて予約を入れてみた。
日曜日でも営業しているのはありがたい。先生は中国の方。どういうわけかこのての痛みには中国三千年の技がたちどころに効きそうな気がしてくるから不思議。
そちこちのツボをぎゅうぎゅう押される。「いたたたた!」と言うと、「ここね。ここ胃のツボね。胃弱っているね」と助詞の少ない日本語で教えてくれる。悲鳴をあげるほど痛かったのが胃・肺・心臓のツボ。前ふたつは納得だけど、心臓も弱っているの!?びっくり。胃の疲れについては即「遅い時間にご飯食べてないか?」とずばりあてられた。「遅い時間に食べる、寝ている間胃ずっと働く」とのこと。これはずっと前に尿検査に続けて引っかかったときにも医者に指摘されたんだった。肺は言わずもがな。「先生、わたし煙草吸うんです」「一日何本?」「10本くらい」「そ、か。わたしも吸うね」・・・先生自身も喫煙者だからなのか、「やめなさい、即刻やめさない」とは言わなかった。
先生曰く、「上半身こってる、下半身運動不足ね」と。「仕事でけっこう動くんですけど」と言うと、「仕事は運動と違う。運動はストレッチと歩くのがいい。走るのはだめ」と。走るのがどうしてだめなのか尋ねると、「ねずみの心臓速いね。亀の心臓ゆっくりね。亀のほうが寿命長いね。心臓ゆっくり動かすほうが疲れない。長生き」とのご説明。そういえばきいたことがある、小動物の寿命が短いのは心臓の鼓動が速いからだ、と。速く打ちすぎて心臓が疲れて長持ちしない、みたいな話だった。根拠があるのかないのか、ほんとか嘘かわからない話だが、走るの苦手なわたしには都合がよい。
カメラマンであることは告げてあったので、いつの間にかカメラ談義。先生はニコンを使っているとのこと。そしてニコンをべたぼめ。今日カメラ持ってますよ、と言ったら、後で見せてと。で、施術が終わった後にカメラを取り出した。わたしのはキャノンだが、先生、大いに感激してくれる。重たい重たいと連発する。もうその重さにも慣れてしまったからなんとも思わないけど、よくよく考えてみるとたしかに重たいよなあって思う。そりゃあ肩もこるだろうな。
一回で完治には至らなかったけど、随分楽になった。首が曲げられるようになった。先生も愉快な人だし、時々通うことにしよう。先生、仕事は運動じゃないと言いながら、「ひとりの人にマッサージすると6時間運動したことになるね」とおっしゃっておられた。矛盾してやしませんか?・・・なんて野暮なことは言わない。そう、言いません。