フォトグラファーの武藤奈緒美です。日々感じたことや思ったことを、写真とともにつれづれなるままに。


by naomu-cyo
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三河木綿

 日曜日に蒲郡に作品撮りに行ってきた。

 早めに着いたので駅からすぐの埠頭界隈をぶらぶらしていたら、手織りの工房を見つけた。休みのようで見学はできなかったけど、すぐそばにアンテナショップを発見、「三河木綿」の文字。初耳の木綿だ。

 スタッフのご婦人と話し込む。蒲郡はもともと繊維業がさかんな土地柄で、毎年クラフト展も開催されているほどだという。知らなかった。ここの近くだと伊勢木綿が有名だし、松坂木綿というのもある。伊勢のほうはポップな色柄の着物地を広く展開し、あちこちの着物サイトをにぎわせている。わたしも一枚仕立てたが、どれにしようか迷うほどに着てみたい色柄がたくさんあった。

三河木綿_a0025490_2181195.jpg
 古くなった機械を何千万もかけて最新のものにするのも大変だからと、跡継ぎが代替わりせずにサラリーマンになってしまったケースが多いの、と彼女。このアンテナショップ「夢織人」にはたしか8つの業者の商品が置いてあるのだそうだ。衣類、ブックカバーや手ぬぐいハンカチなどの小物、鞄や帽子、そして反物。反物のスペースがこじんまりしている。昔ならこっちのほうがメインだったのだろうが、今は地元であってもそういう時代ではないのだなあと痛感した。

 それにしても素敵な縞だ。一見手堅いようでいて、色遣いにかわいらしさがある。反物のほうはバリエーションが少なかったけど、その中でひとめで気になったものを取り出す。赤味の強い茶色なせいか、どことなく華やかだ。機械織りということもあるのだろうが、それにしても手頃すぎる価格。仕立て代のほうが高くつくほど。こんな縞のきものに柄物の帯を合わせてみたいなと思ったので、悩まず買い求める。ほんとにお手頃だったのだ。

三河木綿_a0025490_2182638.jpg
 彼女もきものが大好きなのだという。素敵な大島紬に出逢って、えいっと思いきり買ってしまった、とえらく楽しそうに話してくれた。きもの好きの「清水の舞台から飛び降りる気持ちで買っちゃった」話を聴くのって楽しい。わかるわかる、そうそう!とそのときの有様が手に取るようにわかるのだ。心をわしづかみにされたときのあの、「もうおまいさんしか見えない」な気分。意識がぼーっとしてきて、目はひたすら相手に見入っている。相手が殿方だろうと反物だろうと、惚れるときに起こる生理現象は同じなのだ。

 彼女、着付けはいつも近所の先生にしてもらっているのだとか。着付けをマスターして是非お店で着ていてくださいな、とお願いする。「それもそうね!ふだんから着ていればいいのよね。着付けをマスターしようって気になった!」と彼女。洋服姿がとてもおしゃれな方だったから、次に訪れるときはきものを素敵に着こなす彼女にお目にかかりたい。
(下の写真は三河木綿を使ったくるみボタン)
Commented by 555nao-ya at 2011-11-20 00:09
武藤さん こんばんは。
好い縞ですね。 格子も好きですが、やっぱり縞は好いです。

東北に着物を送る活動をお知らせ下さり、ありがとうございます。
着物繋がりで ブログをリンクさせて下さい。
Commented by naomu-cyo at 2011-11-21 00:18
555nao-yaさん・・・迅速にご協力していただき、ありがとうございました!
あまりに好い縞で、そしてとてもお手頃だったので、ひょいと買ってしまいました。嗚呼、なぜ足るということを知らんのだ、こと着物に関しては・・・。
リンク、ありがとうございます。さほどの着物ネタもありませんが、よろしくお願い致します!
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by naomu-cyo | 2011-11-17 02:18 | お着物 | Comments(2)