落語三昧渦中
2013年 08月 25日
最近聴いた中でひときわ心に残ったのは、2日間出かけた鈴本の夏興行で聴いた柳家さん喬師匠の「茶の湯」、柳家権太楼師匠の「くしゃみ講釈」、春風亭一朝師匠の「紙屑屋」、露の新治師匠の「七段目」。「スケすけイチバ」で聴いた柳亭市馬師匠の「野ざらし」。「落語こてんコテン」(筑摩書房)の出版記念落語会で聴いた柳家喬太郎師匠の「宮戸川(通し)」。特撰落語会で聴いた林家正雀師匠の「乳房榎(大詰・仇討ちの場)」。談笑一門会で聴いた立川談笑師匠の「ジーンズ屋ようこたん」。前座では柳家緑太さん(「やかん」を好演)の口調のすがすがしさや、立川笑ニさんの「真田小僧」の痛快さが印象に残った。
以前「東京かわら版」のインタビューでどの師匠だったか失念してしまったが、「客が前のめりになったら嬉しいね」と話された方がいらした。さあトリの師匠だ、と聴くこちら側が構えるように前のめりになることもあれば、聴いているうちに引き込まれ前のめりになることもある。
反対に、聴く気満々なのに聴いているのが難しい噺っていうのが(わたしには)ある。「試し酒」はそのひとつ。
今日聴いた正雀師匠の「乳房榎」。正雀師匠の顔がどんどん極悪非道の悪人に見えてきたのはなんとも不思議だったなあ、いたって温顔の師匠にもかかわらず。そしてこれも今日聴いた談笑師匠の「ジーンズ屋ようこたん」。どんなに無謀な望みでも希望をもつことは生きる活力になるってことを再確認させられたうえに、嗚呼結婚したいなあ・・・って気もあおられた。落語ってやっぱり・・・すごい・・・。