フォトグラファーの武藤奈緒美です。日々感じたことや思ったことを、写真とともにつれづれなるままに。


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落語三昧渦中

 お盆中がまあまあ忙しくて、明けた今が夏休みといわんばかりに、「デスクワーク→落語」コースの日が続く。久しぶりに落語三昧な日々だ。毎日のように聴いてもちっとも飽きないのは好きだからなのはもちろんだが、「どーだ!」っていう感じがないいたって軽やかな芸能だからなのではなかろうか。なんていうか、夏疲れしている身体にもたれない、とでも言おうか。

 最近聴いた中でひときわ心に残ったのは、2日間出かけた鈴本の夏興行で聴いた柳家さん喬師匠の「茶の湯」、柳家権太楼師匠の「くしゃみ講釈」、春風亭一朝師匠の「紙屑屋」、露の新治師匠の「七段目」。「スケすけイチバ」で聴いた柳亭市馬師匠の「野ざらし」。「落語こてんコテン」(筑摩書房)の出版記念落語会で聴いた柳家喬太郎師匠の「宮戸川(通し)」。特撰落語会で聴いた林家正雀師匠の「乳房榎(大詰・仇討ちの場)」。談笑一門会で聴いた立川談笑師匠の「ジーンズ屋ようこたん」。前座では柳家緑太さん(「やかん」を好演)の口調のすがすがしさや、立川笑ニさんの「真田小僧」の痛快さが印象に残った。

 以前「東京かわら版」のインタビューでどの師匠だったか失念してしまったが、「客が前のめりになったら嬉しいね」と話された方がいらした。さあトリの師匠だ、と聴くこちら側が構えるように前のめりになることもあれば、聴いているうちに引き込まれ前のめりになることもある。

 反対に、聴く気満々なのに聴いているのが難しい噺っていうのが(わたしには)ある。「試し酒」はそのひとつ。

落語三昧渦中_a0025490_27156.jpg
 落語三昧していて気付いてしまったことは・・・高座を撮影するよりも客席で聴いているほうが好きだということ・・・カメラマンのくせに・・・。高座撮影だってもちろん好きなんだけど、聴いているときの自由奔放な心持ちはやはり譲れない心地よさがある。とはいえ、撮るときもしっかり聴いてはいるのだが。撮るときに自由な心がまだまだ追いついていないのだなと思う・・・。

 今日聴いた正雀師匠の「乳房榎」。正雀師匠の顔がどんどん極悪非道の悪人に見えてきたのはなんとも不思議だったなあ、いたって温顔の師匠にもかかわらず。そしてこれも今日聴いた談笑師匠の「ジーンズ屋ようこたん」。どんなに無謀な望みでも希望をもつことは生きる活力になるってことを再確認させられたうえに、嗚呼結婚したいなあ・・・って気もあおられた。落語ってやっぱり・・・すごい・・・。
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by naomu-cyo | 2013-08-25 02:07 | 落語 | Comments(0)