フォトグラファーの武藤奈緒美です。日々感じたことや思ったことを、写真とともにつれづれなるままに。


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「花の慶次」で予習

 日曜日、柳橋の骨董を扱うギャラリーでお茶会の撮影。京都の版元さんのお仕事で、北欧の器を茶器に見立てたお茶会でその使われ様を撮影するというものだった。

 撮影の数日前からむしょうに読み返したくなって、漫画棚から「花の慶次」を引っぱり出して、食事中や寝る前に読み耽る。なんで「花の慶次」だったんだろうと思いめぐらせる・・・そうか、この作品には千利休が頻繁に登場するし、戦国大名たちがお茶を点てている場面も多々ある。お茶会撮影からの連想でこの漫画を読み返したくなったんだな、どうやら。茶道にとんと疎いわたしが撮影に臨むにあたってのせめてもの準備といえようか・・・(いや、準備とはいえまい)。

 砕けた茶会になら参加したことが何度かある。そのうちの一度は亭主が男性の席だった。実におおらかで悠然とした動きで、茶道のことがてんでわからなくても、男点前のほうが好みだなあと感じたのを憶えている。

「花の慶次」で予習_a0025490_1044882.jpg
 習い事としての茶道よりも、戦国武将が好んだ茶の湯のほうに俄然興味がある。いくさ場で命のやりとりをしているもののふたちにとって茶の湯はどのような役割があったのだろう、などと考える。出陣の前日に酒宴を開き、「では某がひとさし」と舞を舞うとか、茶を点てるとか、「命のやりとり」が日常的に訪れない者からすればそうした行為に宿る心模様は想像の域を出ない。今生との別れの意味合いがあったのだろうと考えるのがせいぜいだ。今の茶道に戦国のもののふの心映えが継承されているのなら、習ってもみたいと思うけれど、どうなんだろう。

 庭で猫がご飯を食べていた。ここは骨董を扱うギャラリー、となるとこの猫のご飯皿もしかして名のある骨董だったりして・・・なんて、落語「猫の皿」を思い出しつつ。
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by naomu-cyo | 2013-09-04 10:05 | お仕事 | Comments(0)