フォトグラファーの武藤奈緒美です。日々感じたことや思ったことを、写真とともにつれづれなるままに。


by naomu-cyo
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親しき中にも礼儀あり、なのだ。

 先日、仕事の打ち上げ二次会で行った辰巳新道の居酒屋の、コの字型カウンターで隣り合わせになったサラリーマンの方々とやたら盛り上がり、その長の方から名刺をいただいたので、後日名刺とともに自分が撮影で関わった小冊子を挨拶代わりに送ったところ、飲みのお誘いをいただいた。

 その飲みの席で、言葉の話になった。手紙を添えて小冊子を送ったこともあり、その文章の感想をいただく。文章から受ける感じと実際逢ったときの感じとのギャップがないように、言葉や文章に気を遣うという話をした。自分で言うのもなんだが、真面目で誠実ではあると思う。人の真摯に対して真摯に返せない人はあかんと思うんですよ、というようなことも言った。それは撮影していて思うにいたったことだったりする。ほぼ初対面に近い相手と、酔っぱらいながら延々そういった話をした。途中隣席の男性ふたりも混じった。面白い夜だった。

 そんな夜を送り、振り返ったことがある。友人に対して、真摯に向き合っているつもりが度を越してものすごくストレートなもの言いをしてしまい、大いに反省、長い詫び状を書くなんてことが過去何度かあった。また、快不快に関してもできるだけ真摯に伝えるようにしているのだが、不快に関して伝えるのは甚だ難しいということを今更ながら思い知る。不快と書くとなにやら不穏な感じが強くなるので、心持ちがよろしくないと表現するのがちょうどよいだろうか。
親しき中にも礼儀あり、なのだ。_a0025490_38249.jpg
 1年半前に友人の主宰する公演の撮影を頼まれた。海外公演が控えているからその宣伝用に一部の写真を早く納品してもらえると嬉しいということだったので速やかに対応した。その後やや遅れたとはいえ、残りの大量の写真たちも納品した。そのときのギャラがいまだ振り込まれない。年末と年度末に催促したものの、二人目が生まれたり自分の店を開いたりで手元不如意だというので事情を受け止め待ってきた。そもそも友人からの依頼なので撮影量に比して破格の金額で受けている。支払いをここまで先延ばしにされるような金額ではないはずで、撮った写真をさんざん宣伝に使ったのにそれはないでしょうという気持ちが強くなった。時は年度末、気になるタイミングでもあった。なので、できるだけ感情的にならないようにこのままでは心持ちがよろしくないので支払い期限を設定させて云々とメールした。返事がきて、期限までにはなんとかすると書いてあった。それって期限を設けなかったらもっと先延ばしにするつもりだったってことなんだろうか。待てないわたしが悪いのか?待ったぜ、じゅうぶんに。

 「そういうことを味噌もくそも一緒、と言うんだ」と子どもの頃に親から何度も注意された。大人になってからもその言葉は呪文のように時折思い出され、我が身に注意を促す。親しき中にも礼儀あり。人のふり見て我がふり直せ。他者に対して心持ちがよろしくないと感じる前に、他者が心持ちがよろしくないようなことを自分はしでかしてないか。別に万人に良く思われたいだなんて思っちゃいないけど、不快を与えてしまうのは自分だって心持ちがよろしくない。一方で、案外細かいことを気にするタチなんだよなあと我ながら自分の性分を面倒くさいなと思ってもいるのだから・・・厄介だわね。
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by naomu-cyo | 2015-03-25 03:09 | フォトダイアリー | Comments(0)