煙草=コミュニケーション・ツールの実践
2015年 10月 05日
過日、落語協会3階で「東京かわら版」の取材撮影。8年ほど前にも一度巻頭に登場したことのある師匠で、前回は煙草を吸っている写真も掲載された。煙草をお吸いになる姿が殊更にさまになる師匠で、わたしの中では落語界のクラーク・ゲーブルだ。
「かたくならずにざっくばらんに行きましょうや」と椅子に腰掛けるや、「煙草は吸うの?」と編集Kさんに尋ねる師匠。彼は吸わない人なので、代わりに「わたしが持ってます」と差し出すと、メンソールかあ女の人はメンソール好きだよなとおっしゃいながらお財布から60円を出して「ハイ、これ煙草賃。シャレだよ、シャレ。よく前座にやるんだ」と言って一本取り出し火をおつけになった。これでわたしのほうの気持ちがだいぶほぐれた。師匠がこのノリならあれこれお願いしても大丈夫だろう・・・。
落語に関する師匠の思うところをたくさん伺った。こちらも思いつくままに質問を投げかけた。カメラマンとして関わっているくせに、すっかりまぎれこんでた。これも煙草のやりとりがもたらした間合いな気がする。煙草を渡しながら一歩近寄ってみたらそこには8年前と変わらぬ落語熱や気概が充満していた。渡しておきながらなんだけど、医者に止められている煙草をちょっと控えつつ、どうかこれから先も末永く高座に上がり続けていて欲しい。
> せかせかしたところのない大らかな、煙草を吸っていることさえ忘れてしまっている忘我の境地
こんなふうになりたいもんです。
次号のかわら版、楽しみにしていてください。どこまで掲載されるかわかりませんが、お話もとても面白かったです。