老猫の介護〜セカンドオピニオン〜
2015年 10月 31日
そんなことがあって、「以前うちの犬がお世話になった先生、動物本位で考えてくれるいい先生だったのよ」とちか子さんから教えてもらった動物病院に電話をかけた。これまでずっと診てもらってきた病院をやめることにしたのだ。この夏ぱちがダウンしたとき、その病院の若い先生の採血がきっかけでぱちは暴れて呼吸困難に陥った。これまで採血も注射もいつもおとなしく受けてきたし、直後にやってきた院長先生の採血では問題なかった(まあ、このときすでにぱちは呼吸を整えるのでいっぱいだったと思うが)。よほどのことだったに違いない、とその若先生の処置に不安を覚え、また院長はふだん別院にいて日中だとこの若先生にあたる可能性が高いため、思い切った。
新しい先生にこの夏以降の様子などを手短に伝えると、「昼を過ぎたら回診できるから行きますよ」との申し出。しかし昼から仕事だったので、これからそちらに伺いますと伝えて折よくやってきたタクシーを拾った。
今この子にしてやれることは週に1,2回点滴を打つこと。そして栄養剤を与えてください。食べないようなら鼻先にちょこんと付けてやれば猫はそれが気になってぺろって舐めるから・・・と明朗な説明がある。腎不全を起こしている、痩せてきたのはそのためで、と腎不全の説明がひと通りあった。食べないからいろいろ並べるんだけど、それでも食べないときがある、と話したら、猫は賢いからこれを食べなかったらもっとおいしいものが出てくるってわかっているんですよ、と笑う。食べてくれないとき、わたしがぱちの意向を汲み取れてないんだと感じることが多かったので、先生の話をきいてまた少し気が楽になった。老いだから仕方がないとかいうところは微塵もなくて、現時点のぱちにとっての最良は何かを考え提示してくれているのがちゃんと伝わってきた。
点滴が終わって、「ここ、不便な場所だから送りますよ」と先生。なんだかすっかり緊張がほどけて、先生の前で涙がだーだー出てきた。先生の声が明るくって、なんだか安心しました・・・と泣きながら言ったら、「声が明るいだけかもしれませんよー」と笑っておっしゃった。おかげで、ぱちの老いに対し前向きに冷静に対処していけるであろう力をいただいた気がする。
こちらこそ、路子さんとABBYちゃんの時間が長く続くことを願ってやみません。
まだ信じられなくて、ぱちがいないのが。巻き戻したい瞬間がたくさんあります。もっとこうしてやればよかったという気持ちが尽きません。ぱちからはたくさんの幸せをもらいました。その分辛いのだろうと思います。
存分に愛してもそれでも後悔は残るんだと、友人からメールをもらいました。路子さん、ABBYちゃんと濃密な日々を送ってください。瞬間瞬間を心に刻んでめいいっぱい愛おしんであげて。