展示替えday
2016年 02月 16日
準備着手の遅れがけっこう後を引いて、あちこちに迷惑をかけたように思う。座・高円寺スタッフさんは呆れているだろう。ふだんから自分が面倒な人にならないよう気をつけねばと思ってきたのだけど、今回は完全に面倒な人になってしまったように思う。展示替え終えて事務所へ戻る途中でうどんをすすりながら、そんなことを思い反省もして。こうした場では万事いたる人でありたいと思うけれど、万事いたらない人になってしもうた。
展示した写真に関しては、自分のお気に入りだけを選んだのでとても満足。三段組で展示する方式にはとても戸惑ったけれど、スペースの関係で致し方ないことであった。年齢ではなく入門順の上下関係が存在する世界の人たちだから、A師匠の上にB師匠の写真がきたらさすがにまずかろう等々意識しながら場所を考えるのは困難なことだった。今後噺家さんの写真を展示するときは横並びで展示することをマストに考えたい。
写真の使用許可をいただくにあたって、初席に行って出待ちしたり手紙をしたためたりをたくさんした。出待ちという手段は有りかどうかについて心安い芸人さんに尋ねたところ、じかに逢ってお願いすれば断りにくいからいいんじゃないかなと言われ、なるほどたしかにと納得。寄席4軒をまわった。金馬師匠にはお手紙で。去年披露目の席できいた師匠の「長短」が目からウロコの「長短」だったことなどもお伝えした。留守電に「だいぶ前の写真ですなあ。使うのはよござんすよ」とメッセージを残してくださった。扇橋師匠や志ん五師匠のご遺族とやりとりして許可をいただき、扇橋師匠のお孫さんからはtwitterで「見に行ってきました!」とメッセージをいただいた。芸術祭で優秀賞を受賞された正藏師匠は、わたしが受賞した会の高座撮影に入っていたこともあってとても好意的に接してくださり、これまでに撮影した写真でかっこいいのがあったらプリントしてちょうだい、とおっしゃってくださった。自分で許可をいただくようにしたことで、過去に撮影した師匠方と改めてお話する機会が生まれ、それは結果的にとてもよかった。少しはフォトグラファー武藤奈緒美を認識していただけただろうか。これからますます撮るという立場でも聴くという立場でも関わっていきたいと思っているので、とにかく顔と写真を憶えていただけたらと強く願う。
ひとまわり大きくなったらもう少し楽に呼吸できるのかなと思ったりする。でも大きくなるのはとてもとても難しい。足踏みしている分にはまだましで、気付いたら後退していた、なんてことにはなりたくない。このままでいいなんて思わないし、そう思った瞬間に後退は始まると思っている。前に進みたいし、這い上がっていきたい。自分がこれと選び取った仕事を自分の中で夢のない仕事にはしたくない。
モヤモヤしていることはいくつもあって、それを払うきっかけはつかみかけているような気がするのに、なかなかつかめない。ごちゃごちゃ考え出すとまた迷路にはまりこむから、とりあえず今日はお風呂入って本読んでそのまま寝ちゃおう。ぱちの遺影にも、今日も無事に終えました、ありがとう、と報告したことだし。今日のわたしもお疲れさま。明日のわたしに期待しよう。
ああ〜、志ん五師匠のお写真、後期にありますですかねえ?
寄席で何度か聴いて、この方のあくの強さ、
好きだなあと思いましたっけね。