「8の表現者による展示。」@gallery studio fujino
2016年 05月 21日
入って思わず「うわー!」っと自然に声が出た。訪れるたびに見え方が変化するギャラリーで、それが楽しみのひとつ。すみずみまで人を迎えて楽しませることに心を尽くしているのが伝わってくる。また、studio fujino作の木製什器の類いも美しく、築130年の建物と相まって木の魅力を存分に示してくれる。
今回はふだんは開かずの間になっている敷地奥の蔵が鈴木仁子さんの展示会場としてお披露目され、板間では藤野の青竹を使った山﨑大造さんによる籠制作が進行中(20日完成予定)。八人八様とりどりあって目が悦ぶ悦ぶ・・・訪れた目的を忘れそうになった。
蔵の漆喰壁のニュアンスが光の加減で揺らぐのが美しく、そこに展示された鈴木さんの白い作品たちが凛としたたたずまいを見せていた。
熊谷幸治さんの土器に浮かぶ景色が太古の焼き物との橋渡しを感じさせ、
森田春菜さんのオブジェはまるで宇宙空間を表現しているかのよう。
studio fujinoの木のプレートは形を主張しすぎることなく木目の美しさを際立たせる。
はいいろオオカミ+花屋西別府商店の作品たちは、植物たちの意外な顔を紹介してくれる。
野口悦士さんの焼き物は見るからにぬくもりがあって、
山田隆太郎さんの焼き物はえも言われる色で魅了する。
8人それぞれの美しさが古民家という空間を媒介にして融合しているような展示で、どれかが際立ちすぎずかといって築130年の空間の年月の重みに負けることもなく、穏やかに呼吸している。女将の美意識とそれにこたえる作り手たちの見事なコラボレーションだなあと悦に入った。
会期は22日まで。21・22日の「藤野ぐるっと陶器市」期間中には屋外にフードの屋台も出るとのこと。gallery studio fujino www.studiofujino.com
もともと最終日にきもの仲間たちと訪れる予定でいたので、今回は二度行くことに。毎度、遠出し甲斐があるなあと思い、今回は二度行けてラッキーという気持ち。撮影終わってさんざん迷った挙げ句、山﨑さんの籠と山田さんの花器を購入。籠は事務所の来客用茶菓子入れ用に、花器はぱちに供える花を活ける用に。