英会話を始める。
2018年 07月 04日
欧州落語ツアーの同行撮影がきっかけで去年10年ぶりに海外を旅して、英語が話せたら旅がもっと面白くなるだろうなと痛感した。交流した人たちはみな日本語を学んでいる学生さんたちだったからなんの不便も感じなかったけれど、たとえば入ったお店で英語が話せたらそこで扱っているモノの由来など尋ねることができたろうし、隣りで立ち話する現地の人の会話にこっそり耳を傾けることもできたろう。話せるようになりたいと思い半年がたち、そのツアーでお世話になったドイツ人だけれど英語も日本語もぺらぺらのクララに英語が話せるようになりたいと伝えたら、デジタル一眼レフの使い方を教えるのと交換に英会話を教えてもらうことになった。

JWAVEの野村訓市氏の番組の中で、リスナーの「どうしたら訓市さんみたいに英語が話せるようになりますか?」という問いに彼は、「とにかくいろんなジャンルの名詞を覚えること」と答えていた。名詞にS+Vをつければなんとか文章になる。そして実践あるのみ。彼の話とクララ流英会話とには相通ずるものが感じられた。そして彼女とのLINEはおのずと英語でのやりとりに展開。単語を調べて打ち込み、表現の訂正が返ってくる。英語の授業よりもずっとライブな英語な気がしてくる。自分が伝えたいことを英語にしようとしているからだろう。実用重視だ。This is a pen.ではなく、This pen is easy to use .
その初回。彼女はお手製の教材を用意してきた。顔写真をはりつけた紙人形数人分を並べ、ひとりにつき5つ英語で語るというもの。その中に太宰治の紙人形があったので、まずそれを選ぶ。好きな作家なのだから語ることはいくらでもあるのだが、いざ英語でとなると言葉が出てこない。He is the most famous novelist in japan. ・・・えーとえーと・・・「斜陽」「人間失格」「走れメロス」などを書いた、津軽の出身で、遺体が発見された6月19日は桜桃忌と呼ばれていて、お墓は三鷹の禅林寺にあって、戦争中は甲府に疎開していて、戦後は三鷹に住んでいた・・・during a war・・・そこでチェックが入る。「the war」で直近の戦争、第二次世界大戦を意味するの、と。あ、こんなやりとりを予備校時代の英語の時間にしたっけ。After the warを戦後と訳したところ、「今は戦後でしょうか。もう戦後ではないでしょうか」と講師がわたしたちに問うたのだった。日本人であるわたしたちにとっては「the war」は第二次世界大戦。じゃ、ほうぼうの戦争に首を突っ込むアメリカにとって「the war」はどの戦争をさすんだろうか。また、ベトナムや朝鮮半島や中東の国やイスラエルにとっては?・・・脳内が英会話から脱線しそうになる。
紙人形の中に、モノクロの女性の顔。誰だかわからない。ヒントはphotographerですでに故人・・・あ、もしかしてDIANE ARBUS?・・・Yes!・・・I have a her book.彼女の写真集、持ってる。 She ・・・suicide・・・自死したんだよ、彼女。おお!それは知らなかった、その場合はcommit suicideって表現するの。キリスト教では自殺は禁じられていて罪深い行為だから、罪を犯すという意味合いのあるcommitを使うの・・・ふいに文化人類学が混ざってくる。

彼女の創意工夫あふれる指導に比べ、わたしの一眼レフ講座といったらもう、実に拙かった。最終的にはマニュアル設定にして自分で現場判断してシャッタースピードや絞り、感度を決められるところにもっていきたい。覚えてしまえばこれがいちばん楽だから。思えばそういうことをわたし自身は現場でじかに覚えた。覚えないと話にならない、おまんま食っていけないわけで、同期のメンバーに置いていかれないように当時は覚えることで精一杯だった。たどたどしいながらも教えていたら、なんだか当時が懐かしくなった。
ともあれ、また欧州落語ツアーに行くことになったので、そのときまでには簡単な日常会話をできるくらいにはしておきたい。なんたって、中学から浪人も入れて大学2年まで9年間も英語の授業を受けたのだから、記憶を掘り起こせばその一端くらいは姿を表すだろう・・・と信じたい。
by naomu-cyo
| 2018-07-04 03:12
| 旅
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