フォトグラファーの武藤奈緒美です。日々感じたことや思ったことを、写真とともにつれづれなるままに。


by naomu-cyo
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ガラス工房にて

 先週の上田行きで初めて目にしたガラス制作現場。カオリの制作過程を見守っていたのだが、小柄な彼女がまるで火を支配しているようなそんな空気に言葉を発するのをためらわれた。
ガラス工房にて_a0025490_8491417.jpg
 一連の動作に流れるようなリズムがあった。長い金属の棒を火が燃えさかる炉の中に差し込む、水飴のようにどろりとしたガラスをすくい取る、それをクルクル回し息を送り込んで膨らませる、冷ましつつ形を整える、別な金属棒に移す・・・様々な過程を繰り返し重ねていく。それがあまりにもリズミカルですみやかなので、見ていて心地いい。火と女性という組み合わせもあってか、まるで太古から続く儀式のひとつでもあるように見えてくる。
ガラス工房にて_a0025490_8492586.jpg
 それにしても炉のまわりは暑い。湿度が低く空気がパリっとして熱を帯びている。今にも弾けてしまいそうな緊張感で満ちているようだ。この中で制作するのはかなりしんどそうに思えるのだが、本人は意に介するふうでもなく作業に没頭していた。あのひんやりした手触りが近づけないほどの熱の中から生まれてくるなんて、なんとも不思議だ。

ガラス工房にて_a0025490_840330.jpg 工房を後にし北国街道海野宿を散策。ここは「犬神家の一族」の撮影でも使われた街並みなんだそうな。金田一耕助がよれよれの袴をはいてバリバリと頭をかく後ろ姿が即座に浮かぶほどこの街並みは自然な古さを醸し出していた。

 街道が千曲川にぶつかる辺りに白鳥神社があった。ここは木曽義仲挙兵の地だという。神聖な場所で、そしておそらく神聖な樹のふもとで罰あたりな写真を一枚・・・

 カオリのウェブサイトはこちら。http://www.sollaripple.com/

http://www.mu-cyo.com/
Commented by キョウコ at 2006-04-27 00:20 x
素敵だね〜kaoli。
いきたかったなぁ〜。なんだか目に浮かぶよ。

それにしても罰当たり写真笑っちゃった〜!
一番右は。。。(笑)
Commented by maylee127 at 2006-04-27 01:16
カオリさんには、あの日、ガラスのこと少しお話聞かせてもらったんだけど、
小柄で愛らしい方だからちょっと懸命にその姿を想像してました。
なるほど凛々しい背中、美しい背筋。その情熱が表れてるんだね。いい写真。
もちろん一番下の写真も好き^^うふふー。
良い旅だったんだね。よかったね。
Commented by 49 at 2006-04-27 01:22 x
kaoliの背中に修行を感じたね。
大きな気に抱きつくのは気持ちがいい!
罰当たりなのは昔からだし。
Commented by naomu-cyo at 2006-04-27 03:02
京子ちゃん・・・今度は京子ちゃんもぜひ!真田幸村のお墓参りにゆこう!!!そして食べまくろう〜。
 kaoliはかなりかっこよかったよ。きっと絵に描きたくなるよー。
Commented by naomu-cyo at 2006-04-27 03:07
ままん・・・密度の濃い一日旅でした(笑)。
 kaoliの制作風景、リズムはとても力強いのに、全体的に女性を感じるそんな風景だったの。小柄な彼女が大きく見えた!
 
Commented by naomu-cyo at 2006-04-27 03:10
49・・・女性ってのは火を扱っているときふだんよりもいっそう女性的に見えるのかもなーってkaoliの姿を見て改めて感じた。台所に立ってる母親ってのはほかの動作の時よりも母親然として見えたのを思い出した。
 誘ってくれてありがとう!いろんな写真が撮れたから5月のホームページは予定変更して上田写真満載にすることにしたよ。
Commented by suiryutei at 2006-04-27 22:49
こんばんは。
写真に写っている方がカオリさんなんですね。カッコいい。

北国街道海野宿、去年秋に行ったとき入った蕎麦屋さんは、蕎麦はそう美味しくなかったけれど、くるみ餅が絶品でした。
Commented by reika at 2006-04-29 12:06 x
はじめまして。通りすがりですが、コメントさせて頂きます。

yorke.の周りでは今も素敵なことが起こっているんですね。
私も前に何度か出会った事があります。その時まだ彼は10代!?だと言っていましたが、彼の持つ不思議な魅力に惹き込まれました。まさかホームページがあったとは今更ながら発見しました。あの頃から彼は描き続けているんですね。なんだか何年経っても止まらず変わっていない写真や言葉をみて涙が止まりませんでした。

私も前に絵を書いていましたが、yorkeとの出会いは衝撃的過ぎました。今は実家に帰ってしまったので、なかなか東京には出ませんが。東京を出る前に突然絵の具だらけの花束を唐突に突きつけて帰ったyorkeも今のyorkeもきっと何も変わってないんだろうな。
あの頃から大きなオーラみたいなものに包まれてキラキラしていたのを忘れていません。

mu-cyoさんの写真どれもすごくいいですね☆
これからも楽しみに応援しています。
ありがとうございました。
Commented by okimiyage at 2006-05-04 06:00
髪を束ね、背筋を伸ばし、何かに集中する姿はとても魅力的です。私も去年ガラス細工を体験しました。いくつもの偶然からできたカップ・・・愛用の一品です。
Commented by naomu-cyo at 2006-05-06 23:05
酔流亭さん・・・ここの通りの蕎麦がおいしくないんだそうです(苦笑)、現地の人間が言ってました。が、酔流亭さんご指摘のように、くるみ餅(おはぎだったか?)は絶品なのだとか。それにしてもあちこち行ってらっしゃいますねー!
Commented by naomu-cyo at 2006-05-06 23:06
reikaさん・・・本人にもここに書いたようなコメントを伝えてあげればきっと喜ぶと思うよ!
Commented by naomu-cyo at 2006-05-06 23:08
okimiyageさん・・・kaoliが全身から放っていたパワーを思うと、容易に話しかけられない空気でした。それがまたなんともいえずかっこよくて。こんな集中したきりっとした様子からとても美しい作品たちが生まれてます。彼女のウェブサイトに作品がたくさん載ってます!
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by naomu-cyo | 2006-04-26 08:59 | | Comments(12)