インプットdays
2007年 01月 24日
今回も《RELAX》の公演会場で写真を展示。前回は稽古場写真のみの展示だったけど、今回は満映が物語の舞台ということもあって、出演者たちを映画俳優に見立てたポートレイトを撮って飾った。おおむね好評だったようで嬉しい。
舞台は終戦寸前の満州の映画会社。聞き覚えのあるような実在の人物をモデルにした登場人物もちらほら。時間を作っては毎日劇場に足を運んでいた。前回公演の「VelvetSpider」で同じ芝居を何度も観る面白さを知り、今回も3回観劇。観れば観るほど味が出、そして写真撮影しただけに愛着もひとしお。年明けから関わって日曜日に最後の幕を閉じたとき、もう終わってしまうんだなとさみしい思いがよぎった。
加えて、恒例の「朝日広告賞」へ応募する作品の写真撮影も進めつつ仕事の撮影もあって、てんやわんやだった。新年早々から相変わらずのバタバタ状態。アウトプットだらけの毎日でちっともインプットをしていなかったから妙に飢えのようなものを感じて、きのうは現像所の帰りに本屋に立ち寄った。欲しい写真集があったのだけど目当てのものがみつからなかった代わりに、めぼしいものを3つみつけて購入。うち2つは気になっていたもの。早速移動中にバスの中でページをめくった。
アラーキーの「東京人生」。この人が切り取る「東京」はみつめているうちに涙が出てくる。ずっと前に購入した「東京日和」もそうだった。エロス写真ばかりをフューチャーした写真集にはあまり心がいかないけれど、「東京」という都市の中に散りばめられると都市を形成する断片のひとつである感じが伝わってきて重い。アラーキーの写真人生を辿ることは同時に東京の軌跡をなぞることでもあるのだと気付く。自分がまだ存在しなかった頃の東京の風景なのに、なぜか懐かしくそして切ない。
写真を撮りに行こう。そして暗室に入ろう。映画も観に行こう。スケジュールに余裕がある日々が戻ってきたからには、思い切りインプットな日々を送ろう。2月が来るのが楽しみになった。
取材行脚の合間に撮った秋の終わりの風景たちです。
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