ここ数日で一気に具合を悪くしたMacG5「藤緒」。今日も実に具合がよろしくなく、画像を保存する最中に「ちくたくちくたく」と呟きが聞こえてくる。こりゃそろそろかもと思い、アプリケーション等を外付けHDにコピーしている最中にいきなり動作が中断、ぶわーんとがなり出した。先を急ぐ用があったので、そのまま放置して事務所を去る。どうなっただろう・・・明日様子を見るのがえらく怖い。

そんなさなか、面白い小説に出逢った。「贋世捨人」(車谷長吉・文春文庫)。自分を思い切り見限って世捨人として生きていきたいと切望する男(作者)が、自己嫌悪や自己欺瞞にさいなまれながらもある出来事をきっかけにもう一度小説家として生きてゆく覚悟を固めてゆく物語。「非僧非俗の贋世捨人として生きて行く道は、どうあっても文士になるほかに方法がないと思うた」「粟田口近江守忠綱の匕首をふところに服んで。いよいよとなったら、匕首で首の頸動脈を切って、自決する覚悟だった」。執念、妄念、執着、情念、葛藤・・・根源的なところまで執拗に自己を掘り下げて自分の実体を明らかにする。もの書きへのすさまじい思いが見てとれた。
一度(どころか今までに数度)もろもろの事情で放置されたG5「藤緒」も、利用者であるわたしを見限らずに覚悟を決めてなんとか復活していて欲しいもので・・・。
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