脱・疲労。〜映画「ワルボロ」その他〜
2007年 08月 28日
そんなときは無理せずのんびりいきましょうというわけで、ひたすら受け身の趣味に心を任す。池袋演芸場で柳亭市馬師匠・五明楼玉の輔師匠・橘家蔵之助師匠の落語会を堪能、映画「ワルボロ」の試写会で目の保養、シアタートラムで劇団ホチキス+少年社中の「銭に向け叫ぶ」で爆笑、上野広小路亭で「志らく一門会」を満喫。そうして新しい週が始まった今日、すっかりパワーが戻っていた。よかったよかった、充電完了なんである。
特筆すべきは映画「ワルボロ」。原作者はゲッツ板谷氏。この人、西原理恵子女史の漫画に度々登場するので、個人的になんの面識もないのに「いたっち」とインプットされており、「ワルボロ」はそのいたっちの自伝的小説なんである。いやあ、ものすごく面白かった。
十代の頃に漫画「ろくでなしブルース」にはまった者としては、「ワルボロ」に登場する不良たちの姿が懐かしくってしようがない。短ラン&ボンタン&リーゼント、近所の中学の不良たちとの頭目争いに日夜明け暮れ、不良なのにきちんと毎日学校に来る。なんて健全な昭和の不良の姿よ!と映画を観つつ心の中で大喜び。うちの中学にいた不良さんたちの姿と丸かぶりなんである。
舞台は立川。米軍基地のある場所として街をとらえていたり、街のもつ閉塞感を描き込んでいたりして、単なる不良の青春グラフティでおさまっていない。主演は松田翔太で、「花より男子」のイイ男系の役とはうって変わって、恋に友情に悩んでしくじってばかりいる男子を思いきり演じている。お兄ちゃん・松田龍平も「青い春」で不良を演じていたけど、これほど不良ビジュアルが似合う兄弟俳優もいないだろうと思うほどよくお似合いであった。大いに笑い、ちょこっとほろりとした。
今月のウェブサイトは「お伊勢参り〜前編〜」です。旅情に浸ってくださいませ。http://www.mu-cyo.com/