桐生へ
2008年 02月 19日
初めてのクライアント。デザイナーのKさんは同じ現場でアシスタント時代を送ったよしみ。「あれから何年たったかねえ」などと話しつつ久闊を分かち合う。お互いそれぞれなりたかったものになれてよかったね。
新桐生の駅に訪ね先の職人氏が迎えにきてくれていた。いざ工房へと思ったら、途中で蕎麦が旨いという店にいざなわれる。これが実に旨かった。蕎麦とは思えないくらいこしがある。そして山盛りの天ぷら。一同、小旅行にきたような気分に。
工房に着いて取材チームと撮影チームに分かれる。Kさんとページの構成を相談しながら写真を撮りまくる。撮りどころ満載。暖簾や反物などさまざま作品が展示されており、最近着物を着始めたところなので、おのずと反物に目が吸い寄せられる。とてもいい色。さまざまな色を重ねてこんなえも言われぬような美しい色が生まれたのか。
職人氏手製のカラーチャートを見せていただいた。縦軸にさまざまな植物の名前、横軸に鉱物の名前。たとえばザクロに鉄を加えるとこういう色になる、といった案配で染めた生地が張り付けてあるのだが、「この植物でこんな色が出るのか!」と驚きが多い。配合のバランスや植物と鉱物の出逢い、水温や水質等々、そしてたくさんの手間をかけいろいろな条件が複雑に重なり合ってこその色合い。染織って理系の脳みそも必要らしい。
72歳という職人氏はどことなくモダンな薫り漂うユーモラスな御仁だった。キャメル色のダウンジャケットがすごくお似合いで、「入れ歯だけど」と言いつつ呵々と笑う。ポートレイトを撮れば「遺影用に頂戴」とおっしゃる。「なにをおっしゃりますか」と笑って返した。まだまだ元気に美しい色を生み出して欲しい。
まだどこにも春色が見あたらない野山に囲まれた工房の中には、自然から生まれ出たこまやかな色があふれかえっていた。そこだけまるで春のような、そこだけに色彩のすべてがあるような、そんな素敵な色空間で、自分にはいったいどんな色の着物が似合うだろうなどと思いを馳せ、反物の値段を伺って軽くのけぞり、まだあつらえるのはずっとずっと先のことだろう・・・と思った。いつか自分の寸法にぴったり合った着物をば。それまでは世の中に出回っている大正昭和の雰囲気をまとった古着着物を楽しむことにしよう。
ウェブサイトを更新しました!前回の赤目行きに引き続き、冬なのに夏の写真です。今回は「名張・室生寺編」。http://www.mu-cyo.com/
イケメンソムリエの出身地なんだわ。
下りたまんまのシャッターが目立つ商店街で古着屋さんを見つけ、着物でも帯でもなく、渋い達磨を買ったっけ♪
経験によってある程度計算したり、駆使してるようでいて、
完璧なコントロールは出来ないんだろうな。
ひとつひとつの色が微妙に偶発的なんだろうと想像する。
でも、そこがたまらない魅力なんだろうね〜。
着物をながいこと着てるとね、蛾であるお蚕さんや
綿花やタデ藍や草木や土からくる
言葉ではうまく説明できない不思議なパワーをいただいてるな〜
って感じる瞬間があるデス。
桐生のおじさんの個展、ぜひ行きたいですねえ。
ゆっくりお店を探しながら買い物したいなあって思う街でした。反物、ほんときれいだった〜。
今はもういろいろ着てみたくてしようがない時期です。それが落ち着いたとき、もしかしたらふっと感じるのかもしれないですね、パワーをいただいてるなって。
椿の着物、届きました!羽織ってみて痺れました〜(笑)。濃いめの地に派手な色模様が散っているタイプのものがどうやら好きな傾向のようです。似合うものをいろいろ模索していきたいですね、今は。御指南お願いします!