週末の逃避行・4
2008年 04月 01日
ビルドスペースで瀧本幹也氏の写真を見、不意に撮りたくなった道端のおばあちゃんに撮影交渉するも、「昔だったらいいけど今は駄目よ。絶対駄目駄目〜!」と強い拒絶に遭い断念。昔は美貌を誇ったのかもしれない。残念。そこからぶらぶら海へと向かう。途中気になる路地に入っては撮り、大きな工場を見つけては撮りし、港に着いた。島めぐりの船なのか観光客がたくさんいた。ここでぼんやり海を眺め写真を撮る。広々とした空間を前にすると、その空間の中に自分も溶けていくような気持ちになる。
ひとしきり撮って向かったのは亀喜寿司。初めての寿司屋お一人様。平間氏推薦は大将おまかせコースだったけど、まだおなかがすききってないので盛りの少ない季節の盛り合わせにする。マグロ以外はすべて地元のものなのだとか。ウニってこんなにおいしいものだったのね。美味、美味。カウンター越しに職人さんがあれこれと話しかけてくれる。「塩竃いいでしょ?」ハイ、いいところです。そしてわたしの故郷とどことなく似ているんです。
ひとりで旅に出かけると、どうしても写真を撮ることに終始し、風景の中・自己の中にどんどん埋没していき、日常とは全く異なって没交渉の時間を送ってしまいがちだ。心の中で自分と対話するようなそんな時間の中で、この街の人たちは訪れたわたしに自分の街を愛しているという気持ちをストレートに伝えてきた気がした。写真展の会場でボランティアスタッフの人たちから「ようこそ〜」と迎えられ話しかけられして、アートってのは興味のある人だけの嗜好品でありとんがったものだという漠然と描いていたイメージが全く違った印象になった。
私も久々に一人旅したい。むーちょさんの瞬発力を見習わなくては!と思うのですが、家で制作するのがメインの仕事だと、どうも近場にちょこっとおでかけするので満足してしまっています。