フォトグラファーの武藤奈緒美です。日々感じたことや思ったことを、写真とともにつれづれなるままに。


by naomu-cyo
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《RELAX》第13回公演「莫大小猫奇譚」の稽古場へ。

 本番間近の《RELAX》の公演「莫大小猫奇譚」の稽古場見学に出かける。台本は4月にいただいて既に筋は頭に入っていたけど、やはり役者が入ると印象ががらりと変わる。通し稽古を二回見たけど、いやはや面白かった!次回からはちょこちょこ撮影をする予定。そしてゲネプロの撮影も控えている。

 舞台は戦後の日本。カストリ雑誌の編集部、毒殺事件、学生による金貸し屋、特攻崩れ、娼婦、未来の歌姫・・・。戦後の混乱の最中、出逢いそうもない者同士が出逢ったり、信じられないような事件が起こったりする。共通の「敗戦」を体験した人たちがその後どう変わり何を思いどう生きているのかが描かれている。
《RELAX》第13回公演「莫大小猫奇譚」の稽古場へ。_a0025490_8564846.jpg
 脚本演出はEMIさん。彼女の脚本は描いてあるその時間の中だけに終始するものではなく、脚本には描かれていないそれ以前の姿をも想起させる。今回は「戦争」という共通の体験があることによって、よりいっそう過去を感じさせながら舞台上の現在が進行しているように感じた。さまざまな人物が出てくる。みな一様に「闇」を抱えていて、その闇にとらわれたままの人、そこから抜け出そうともがく人、もがいてもとらわれたままの人、別人への変化をとげようとする人・・・。生き馬の目を抜くように必死で生きるその心の片隅では「温かさ」を切望しており、そんな哀しみが作品全体を覆っていて、切なくなる。

《RELAX》第13回公演「莫大小猫奇譚」の稽古場へ。_a0025490_8571420.jpg モデルになった事件や人物もあって、それに対するEMIさんの解釈も登場人物を通して語られていたりして、そうした事件や人物のことを知っていたらまた別な面からも楽しめそう。自分が生まれる少し前には実際にそういう事件がありそういう人物がおり、「戦後」という響きがまだまだ実感を伴っていたのだろうと思うと、そんなに昔のことじゃない気もしてくる。

 《RELAX》第13回公演「莫大小猫奇譚(メリヤスネコキタン)」5月14日〜5月18日品川六行会ホールにて。問い合わせ・チケット予約・・・03-3974-9966
(写真・下・・・通し稽古前のオフショット)


 ギャラリーの写真を一部入れ替えました!2007年夏の旅、いよいよ和歌山編。
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by naomu-cyo | 2008-05-04 08:58 | お芝居 | Comments(0)